あなたが普段使っているスマートフォン、飛行機に乗る際には電源をOFFにするか機内モードにする様にアナウンスされます。
飛行機では機内モードにするのが普通と思っているので機内モードにする人が多いですよね。
でも実は現在では必ずしも機内モードにする必要はないという事を知っていますか?
今回は最近の飛行機内でのスマートフォンの取り扱い事情についてご紹介します。
機内モードとは
機内モードとは主にスマートフォンから発生される通信電波を遮断する為のモードで、以下の機能が制限されます。
- キャリアによるデータ通信
- 電話
- Wi-Fi
- Bluetooth
- GPS
これらの機能が制限されるのでスマートフォンでは音楽を聴くくらいのことしかできません。
実質スマートフォンを使うことが出来なくなり、好きなWEBサイトを見ることもできなくなります。
飛行機内で機内モードにする理由
飛行機には様々な精密機器が多く搭載されており、スマートフォンの電波から影響を受けないようにする為にフライト中の飛行機内では機内モードにする事が推奨されています。
機内モードにしない場合、スマートフォンから発生される電波が精密機器に悪影響を与えると言われています。
飛行機に乗っている間は、自分の命を預けている事になるのでほとんどの人が機内モードをONにしますよね。
スマートフォンの電波が原因の事故
機内モードにしないと事故を引き起こすと言われていますが、実際にスマートフォンの電波が原因の事故はあるのでしょうか?
実はスマートフォンから発生する電波が原因と断定されている飛行機事故は今までに起きていません。
これは多くの人が飛行機では機内モードにしているので事故が起きていないとも言えます。ただ、以前「スマートフォンの電波が原因」と言われた事故が発生しているんです。
スマートフォンの電波が原因と言われている事故
スマートフォンの電波が原因と言われている事故にクロスエア498便墜落事故がありますが、この事故の原因は電波ではありません。
クロスエア498便(乗員3人・乗客7人)はチューリッヒ空港を出発してドレスデン空港に向かう便で、離陸から数分後に機体が回復不能なまでに右に大きく傾き、そのまま墜落した。乗員・乗客10人全員が死亡した。
(引用元:クロスエア498便墜落事故)
飛行機の装置に複数回の故障記録はありましたが事故の原因とは無関係と証明されており、事故の原因は航空管制官と操縦士の言語の壁による連絡不備が原因とされています。
この事故後にパイロットに英語の試験が導入されていることからも明白です。
つまりスマートフォンの電波が原因の事故は過去に起きていないとされています。
機内モードにしなくても良いのか?
スマートフォンの電波が原因の事故が起きてない以上、必ずしも機内モードにする必要はありません。
実際に機内モードを促す為に行われているのは、機内アナウンスのみで、直接の確認などは行われていません。
本当にスマートフォンの電波が重大な事故の原因となるなら、厳密な検査が行われるはずですよね。
これが機内モードにしなくても良い理由になりますが、飛行機内での電子機器の使用には規則があり、その規則を破った際には罰則もあります。
飛行機の利用規則を破った場合の罰則
実際に機内モードにしなかった場合には罰則があり、以下のものがスマートフォンに関する規則になります。
- 航空機の運航の安全に支障を及ぼすおそれがある携帯電話その他の電子機器を正当な理由なく作動させる行為は禁止されております。
(航空法第73条、航空法施行規則第164条の15)- 航空機内の安全阻害行為等は航空法により禁止
- 悪質な場合は、機長による「禁止命令」を即交付
- 「禁止命令」を無視して安全阻害行為等を継続すると、50万円以下の罰金も!
引用元:国土交通省
航空機内での”安全阻害行為等”とは以下に記した8つに該当する事です。
- 化粧室内での喫煙すること
- 携帯電話などの電子機器を使用すること
- 乗務員の業務を妨げること
- 指示に従わずに座席ベルトを装着しないこと
- 離着陸時に座席の背やテーブルなどを所定の位置に戻さないこと
- 手荷物を脱出の妨げとなる場所に放置すること
- 非常用機器をみだりに使用すること
- 乗降口の扉をみだりに操作すること
引用元:国土交通省
しかし、この行為をしたら直ぐに罰金となる訳では無く、この行為をした後の「禁止命令」を無視すると罰金となります。
機内モードにしていないからと言って、直ぐに罰金とはなりませんが、無用な心配事は増やしたくないのであれば、機内モードにする事をオススメします。
飛行機内で機内モードにする期間
飛行機内では機内モードにする方が好ましいのは分かりましたが、いつからいつまでの期間で機内モードにすれば良いのかご存知ですか?
この機内モードにする期間は「飛行機のドアが閉まった時」から「着陸後の滑走が終了するまで」となります。
つまり、搭乗後に座席に座った段階ではまだ機内モードにする必要はありません。
実際に電源を切ったり機内モードにするのは全員が搭乗し、ドアが閉まってからとなります。
機内モードでもWi-Fiが使える
機内モードにすれば実質スマートフォンで出来る事は無くなりますが、飛行機内では無料のWi-Fiを使う事が出来るのをご存知ですか?
国内大手のJALでは、無料のWi-Fiで以下のことが出来ます。
- メールやネット検索、SNS投稿
- 現在地をフライトマップから確認
- 機内販売オンラインストアからJAL限定商品の購入
- JALの空の上でしか見られないantenna限定コンテンツ
機内のWi-Fiを使えば、好きなWEBサイトを見たり、SNSを更新する事が出来るので、暇つぶしをしたい方は機内の無料Wi-Fiを使いましょう。
飛行機内でWi-Fiを使用する時の注意点
Wi-Fiを使用する事は出来ますが、Wi-Fi使用時には注意点する事もあります。
また、飛行機内でのWi-Fiには制限されている事があります。
通信速度が遅い
飛行機内でのWi-Fiは一つのWi-Fiを多くの人が利用する為、通信速度が遅くなります。
なので機内Wi-Fiを急ぎの用事で利用する方にはあまり向いていません。
動画は観る事が出来ない
これはYouTubeなどの動画配信サイトで動画を観る事ができないという事です。
通常のネット検索と違い、動画を観るには多くの電波が必要になります。
その為、飛行機内のWi-Fiでは動画サイトで動画を観ることが出来ません。
通話はできない
飛行機内で利用出来るWi-Fiでは通話をする事もできません。
LINEやSkypeでメッセージを送る事は出来ても、通話をする事は出来ないという事です。
メッセージと通話では何が違うのかと言うと、これも必要な電波の量が通話の方が遥かに大きいからです。
飛行機内でWi-Fiを使うことのできる航空会社
実際にWi-Fiを使うことの出来る航空会社ですが、国内線と国際線によってWi-Fi事情は異なります。
国内線
国内線でWi-Fiを利用する事が出来る航空会社は以下の3社です。
- ANA
- JAL
- エアアジア
ANAとJALに関しては無料でWi-Fiを利用することが出来ますが、エアアジアのみ有料のWi-Fiとなるので注意してください。
航空会社によってWi-Fiで利用できる事にも違いがあり、ANAのWi-Fiでは「ANA SKY LIVE TV」でテレビ番組をリアルタイムで視聴できるなど、エンタメコンテンツが用意されています。
JALでも同様にTV番組を視聴することが出来る「ライブTV」などのビデオコンテンツが用意されています。
国際線
国際線でWi-Fiを利用する事が出来る航空会社は以下の3社です。
- ANA
- JAL
- エアアジア
国際線も国内線同様にWi-Fiを利用できますが、国際線の場合はWi-Fiの利用にお金が掛かります。
各社料金プランは以下の通りです。(1ドル=112円として計算)
ANA
プラン | 制限容量 | 価格 |
30分プラン | 15MB | 4.95ドル(554円) |
1時間プラン | 30MB | 8.95ドル(1,002円) |
フルフライトプラン | 100MB | 19.95ドル(2,233円) |
制限容量を超えた場合は強制的に接続が終了となるので注意して下さい。
JAL
プラン | 制限容量 | 価格 |
1時間プラン | なし | 10.15ドル(1,136円) |
3時間プラン | なし | 14.40ドル(1,612円) |
フルフライトプラン(24時間) | なし | 18.80ドル(2,105円) |
エアアジア
プラン | 制限容量 | 価格 |
チャットプラン | 5MB | 9リンギット(224円) |
インターネットプラン | 15MB | 18リンギット(489円) |
フルフライトプラン | 50MB | 48リンギット(1,306円) |
エアアジアではUSドル計算では無く、マレーシアのリンギットでの計算です。(1リンギット=27円として計算)
飛行機内では機内モードにした方が良い
飛行機に関しては年々進化しており、電波を遮断する設備などを搭載する事により、スマートフォンの電波によって故障する事はほとんどありません。
ですが、絶対を保証できる訳でも無いので”念の為に”スマートフォンは機内モードにした方が良いでしょう。
ここまで機内モードにするかしないかの話をした上で言うことでは無いのですが、そもそも飛行中の機内には地上の電波は届きません。
山の中でスマートフォンの電波が届かないのと同じように飛行機の中にも電波が届かずに圏外となるので、フライト中は機内モードにして飛行機の無料Wi-Fiを使用するのが一番良いでしょう。