「横浜インビテーションカード」=通称「ハマカード」には、海外旅行の際に利用できる「海外旅行傷害保険」が付帯されています。
海外旅行に行く際に保険が付帯されていると、なんとなく安心できるなとは感じられるものの、実際のところどんな補償内容になっているのか気になりますよね。
今回は、堅苦しい表現のある公式サイトを見るのが面倒だというあなたのため、ハマカードに付帯されている海外旅行傷害保険の特徴を、噛み砕いて説明していきます。
(トップ画像出典:https://pixabay.com/ja/photos/%E3%81%8A%E9%87%91-%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%89-%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-256319/)
横浜インビテーションカード(ハマカード)は年会費永年無料!
横浜観光プロモーションより認定を受けている、「横浜インビテーションカード」=通称「ハマカード」は、年会費が永年無料です。
年会費が一切かからないクレジットカードであるため、ハマカードの海外旅行傷害保険を実質無料で利用できます。(国内旅行傷害保険も同様に実質無料で利用可能。)
実質無料である上に、海外旅行傷害保険は自動付帯となっているため、旅費の支払いなどでハマカードを利用しなくても大丈夫なんです。(詳しい内容は後ほど紹介します。)
予期せぬ事故や怪我は、海外に旅行をしている時でさえも起こりうるものです。思わぬ怪我などで病院を利用するときや、救急搬送される際の搬送費も、ハマカードを持っておけば補償してもらえます。
ハマカードの海外旅行傷害保険の補償項目・範囲
では早速、ハマカードの海外旅行傷害保険の補償項目と、補償範囲について紹介していきます。
補償項目 | 補償する場合 |
---|---|
傷害死亡 | 偶然な事故によるケガが原因で、事故の日を含めて180日以内に亡くなられた時 |
後遺障害 | 偶然な事故によるケガが原因で、事故の日を含めで180日以内に後遺障害を生じたとき、その程度に応じて |
傷害治療費用 | 事故の日を含めて180日以内に偶然な事故によるケガが原因で医師の治療を受けられたとき |
疾病治療費用 | 疾病が原因で旅行期間終了後48時間以内に医師の治療を受けられたとき、または特定の伝染病が原因で14日以内に医師の治療を開始したとき |
賠償責任 | 他人の身体の障害または他人の財物の破損または損失について法律上の賠償責任を負ったとき |
携行品損害 | 携帯品が盗難、破損、火災などの偶然の事故にあって損害を受けたとき |
救援者費用 | 捜索救助等が必要になった場合 |
上記表が、ハマカードの海外旅行傷害保険の補償項目ならびに、補償の範囲です。
ハマカードの海外旅行傷害保険は最高2000万円まで
ハマカードの海外旅行傷害保険は、保険金が最高で2000万円まで補償されます。年会費が無料のカードに付帯されている海外旅行傷害保険の中では、トップクラスの保険金額です。
ただ、「最高」2000万円ですので、状況によって補償される金額も異なってきます。保険が適用されないケースもあり、実際の保険金の支払いの可否等は普通保険約款及び特約に基づきます。
Booking.comカードに付帯されている海外旅行保険は、最高で2500万円まで補償されます。
ハマカードの海外旅行傷害保険の保険金額・補償期間
それでは、ハマカードの海外旅行傷害保険における保険金額と補償期間について確認していきましょう。こちらの表をご覧ください。
補償項目 | 保険金額 | 補償する場合 |
---|---|---|
傷害死亡 | 2000万円(最高) | 偶然な事故によるケガが原因で、事故の日を含めて180日以内に亡くなられた時 |
後遺障害 | 80~2000万円 | 偶然な事故によるケガが原因で、事故の日を含めで180日以内に後遺障害を生じたとき、その程度に応じて |
傷害治療費用 | 200万円(最高) | 事故の日を含めて180日以内に偶然な事故によるケガが原因で医師の治療を受けられたとき |
疾病治療費用 | 200万円(最高) | 疾病が原因で旅行期間終了後48時間以内に医師の治療を受けられたとき、または特定の伝染病が原因で14日以内に医師の治療を開始したとき |
賠償責任 | 2000万円(最高) | 他人の身体の障害または他人の財物の破損または損失について法律上の賠償責任を負ったとき |
携行品損害(免責3,000円)1旅行かつ1年間の限度額 | 20万円(最高) | 携帯品が盗難、破損、火災などの偶然の事故にあって損害を受けたとき |
救援者費用(1年間の限度額) | 200万円(最高) | 捜索救助等が必要になった場合 |
各補償項目における、保険金額は上記表の通りとなっています。なお、補償期間に関しては、以下の通り記載がありました。
一旅行(日本出発から帰国まで)あたり最長90日間
出典:https://www.jaccs.co.jp/service/cardservice/travelservice/kaigai/travelinsurance/
Booking.comカードは、自動付帯分が旅行開始から3ヶ月間が補償期間となると記載がありました。ですので、Booking.comカードもハマカードも大きな差はないと思ってください。
ハマカードの海外旅行傷害保険は自動付帯
では冒頭で紹介した「自動付帯」について紹介していきましょう。まず、ハマカードに限らずクレジットカードに付帯されている海外旅行傷害保険は、「自動付帯」と「利用付帯」という付帯の制度が2種類あります。
- 自動付帯:当該カードを持っているだけで保険の適用対象となる。
- 利用付帯:旅費の支払いに当該カードを利用することで、保険が適用対象となる。
ハマカードは「自動付帯」ですので、旅費の支払いにハマカードを利用していなくても、ハマカードを持っていくだけで保険の適用対象となるわけです。
ハマカードとBooking.comカードは、「傷害死亡・後遺障害」の保険が適用される場合、最高保険金額は2000万円となっています。
しかし、Booking.comカードは、「自動付帯分300万円分」と「利用条件分1700万円(※利用付帯と同義)」を合わせて最高2000万円となっています。
ですので、旅費の支払いにカードを使っていない状態で当該カードを持って海外旅行に行った場合に大きな差があるのです。
ハマカードは最高で2000万円の保険金が補償されるのに対し、Booking.comカードの場合には最高でも300万円しか補償されません。
海外の医療費事情は要チェック!
ここまでの内容をしっかりと読んできてくれたあなたなら、「海外旅行傷害保険は最高で2000万円まで”自動付帯”で補償される」ということがよくわかりましたよね。
ただ、「最高2000万円」で安心してはいられません。というのも、海外の医療費や損害賠償などは思っている以上に高額だからです。日本に住んでいるとあまり気づきませんよね。
ここで、株式会社アイエヌシーという会社のページに掲載されていた、1枚の画像をご覧いただきましょう。
日本興亜損保の調査を元に株式会社アイエヌシーが作成した画像のようです。
中国の病院の治療・入院費や、日本の病院への搬送費が約720万円、ロサンゼルスの病院での盲腸の手術・入院費が約132万円、ホテルに損害を与えた賠償責任として約586万円の支払いがあったとわかります。
医療費に限らずですが、場合によってはとんでもない高額なお金を支払うことになるのです。日本の治療費がいかに安いかもよくわかりますよね。
ハマカードの海外旅行傷害保険には”上乗せ”がおすすめ
上述した通り、海外の治療費や損害賠償はかなり高額になります。ですので、実はハマカードを1枚持っていても安心とは言い切れません。そんな時に役に立つのが「上乗せ」です。
上乗せとは、簡単にいうと複数のクレジットカードを持っていた場合には、保険金が合算されるというもの。
- 最高200万円まで補償される「傷害治療費」がついたクレジットカードA
- 最高250万円まで補償される「傷害治療費」がついたクレジットカードB
上記2つのクレジットカードがあった場合には、保険金額が合算されて合計450万円となる。
ハマカードだけでは保険金額が十分とは言えませんので、複数枚のカードを持っておくことで、保険金を上乗せさせられる体制を取っておくことをおすすめします。
話は少し変わりますが、ここで、株式会社ジャックスのホームページのとある注意書きを紹介します。
複数のクレジットカード(他社カードを含む)付帯の傷害保険にご加入の場合、死亡・後遺傷害の保険金額は合算されず、最も高い保険金額が限度となり、各カード(他社カードを含む)に付帯する保険金額に応じて按分して保険金をお支払いします。
引用:https://www.jaccs.co.jp/service/cardservice/travelservice/kaigai/travelinsurance/
こちらはハマカードだけでなく、全てのカードに言えることなのですが、複数枚のクレジットカードを持っていても、傷害死亡と後遺傷害については保険金が上乗せされません。
傷害死亡と後遺傷害以外の項目に関しては上乗せされるので、複数枚のカードを持っておくとを保険金額の補償上限も上がるため、非常に賢いと言えますよ。
ハマカードの海外旅行傷害保険なら無料で治療が受けられる
ハマカードは、海外旅行中の事故や病気の時に受けられる、援助サービスを用意しています。その名も「アシスタンスサービス(緊急援助サービス)」。
このアシスタンスサービスを利用することで、無料で治療を受けることができるのです。
アシスタンスサービスによって受けられるサービスをまとめて紹介します。
- 医療施設への移送
- 本国への送還
- 現地への医師の緊急派遣
- 医薬品類の緊急手配
- 現地での遺体の埋葬
- 遺体の本国への送還
- キャッシュレス・メディカルサービス
- 救援者の渡航・宿泊手配
- 捜索・救助
上述した項目が、アシスタンスサービスによって受けられます。なお、アシスタンスサービスで必要となる費用に関しては、ジャックスのホームページに以下のような記載があります。
サービスに費用について
- アシスタンスサービスの費用は、この保険で補償される金額までは保険金として精算いたしますので、会員様の皆様の自己負担はありません。
- サービスの費用が保険金額を超えたとき、又は費用の一部が保険の対象とならないときは、保険で補償されない費用の不足分は、会員の皆様に自己負担していただきます。
引用:https://www.jaccs.co.jp/service/cardservice/travelservice/kaigai/travelinsurance/assistance.html
要は、海外旅行傷害保険で補償される金額までは保険金として精算してくれるので、実質無料でサービスが受けられるのです。
ただし、キャッシュレス・メディカルサービスの利用時には注意すべきポイントがありますので、以下の内容をよく確認してください。
3.キャッシュレス・メディカルサービス
現地で治療費をご負担いただくことなく治療を受けられるサービスです。下記連絡先にご連絡いただければ、本サービスを受けられる病院をご紹介いたします。
引用:https://www.jaccs.co.jp/service/cardservice/travelservice/kaigai/travelinsurance/assistance.html
キャッシュレス・メディカルサービスは、全ての病院で受けられるわけではありません。保険の適用対象となる病院がありますので、対象となる病院で治療してもらう必要があります。
キャッシュレス・メディカルサービスを利用する際の注意点!
キャッシュレス・メディカルサービスを利用するにあたり、いくつか注意点がありますので、一緒に確認していきましょう。
土日祝日は要注意!
キャッシュレス・メディカルサービスを利用するにあたり、土日祝日には十分に注意するようにしましょう。
アシスタンスサービスについて説明されている株式会社ジャックスの公式サイトには「24時間体制」と記載されていますが、落とし穴があります。
理解しやすくするために、簡単な表を用意したのでこちらをご覧ください。
キャッシュレス・メディカルサービスを受けるためには、この画像の①〜⑥の流れを踏む必要があります。
- あなたから保険会社に連絡
- 保険会社からカード会社に本人確認の連絡
- カード会社から保険会社へ本人と確認できたという旨の連絡
- カード会社からあなたへ、キャッシュレス・メディカルサービスが受けられる現地病院の紹介
- あなたは紹介してもらった病院で治療を受ける
- 治療費を保険会社が支払う
ハマカードが保険サービスを提供しているわけではないので、あなたが保険会社(※ハマカードの場合にはAXAアシスタンス社)に連絡した後に、保険会社が本人確認をする必要があります。
保険会社から株式会社ジャックスに本人確認を連絡をしてくれるわけですが、株式会社ジャックスの営業時間外の場合には、本人確認をすることができません。
ですので、土日祝日や長期休暇の際にはキャッシュレス診療が受けられないこともあるため、注意が必要です。
ハマカードの発行元である、株式会社ジャックスが海外旅行傷害保険を提供しているわけではありません。
病院のチェックは忘れずに!
実質無料で診療を受けられるキャッシュレス・メディカルサービスですが、保険会社の紹介してくれた現地の病院でなければ、キャッシュレスで診療を受けることはできません。
「ハマカード」を持っているからといって、全ての病院でキャッシュレス・メディカルサービスが受けられるわけではありません!必ず保険会社に連絡をして、紹介してもらった病院へ行くようにしてください。
国内旅行傷害保険もアリ!
ハマカードには、海外旅行傷害保険だけではなく、国内旅行傷害保険も付帯されています。
国内旅行傷害保険の場合には、保険金は最高1000万円までとなっていますが、持っていないよりはハマカードを持っていた方がいいですよね。
なお、国内旅行傷害保険は、「自動付帯」ではなく「利用条件」が設定されています。
国内旅行時に利用する公共交通乗用具(新幹線や飛行機など)や宿泊施設の予約時に、ハマカードを利用しなければなりません。
まとめ
「横浜インビテーションカード」=通称「ハマカード」の海外旅行傷害保険について、徹底的に紹介してきました。
特に「自動付帯でOK」という点は、しっかりと覚えておいてくださいね。カードを持って海外旅行に行くだけで、最高2000万円の補償が受けられるため、海外旅行には必ず持っていきたいカードです。
ただし、海外の治療費や損害賠償は日本と比べてもかなり高額ですので、最高2000万円の保険金で安心できるとは言い切れません。
ハマカードと共に、海外旅行傷害保険の付帯された別のクレジットカード(※他社のクレジットカードでもOK)を持っておくと、非常に安心ですよ。