『ART MON ZEN KYOTO』は、古美術商が作った、美術館とホテルと茶の精神が融合した、面白いホテルです。
ART好きなあなたなら、きっと満足することができるでしょう。この記事では、『ART MON ZEN KYOTO』の魅力、ホテルのART お部屋、お食事、アクセス、祇園の街について書きました。
この記事を読めば、『ART MON ZEN KYOTO』の内容がよくわかりますよ。ぜひ、最後まで読んでくださいね。
『ART MON ZEN KYOTO』は泊まれる美術館
『ART MON ZEN KYOTO』は京都の老舗美術商『中西松豊軒』が手掛けたラグジュアリーホテルです。
大きなガラス張のエントランスを入ると、大胆な水墨画が目に入ってきます。この『ART MON ZEN KYOTO』はまさに泊まれる美術館です。
ロビーだけでなく全ての部屋に本物の美術品が置かれているんですよ。生活の一部として美術品と向き合える、そんな体験ができるでしょう。
天外『ART MON ZEN KYOTO』の哲学
天外というスペースが『ART MON ZEN KYOTO』にあります。チェックイン前のゲストが一息つくロビーのようでもあり、週末は人々が集うバーでもあります。
天外というのは、心が曇った時、一度雲をつき切って空から自分を見るように、自分を客観視するという意味です。茶の精神に通じるオーナーのゲストへのメッセージを感じます。
『ART MON ZEN KYOTO』の天外の周りには、平安の貴族のように御簾がかけられていて、内と外を緩く分けています。
体験的総合芸術である茶の世界感を、現代的に表現したような『ART MON ZEN KYOTO』その象徴ともいえる空間がこの天外かもしれません。
客室が美術空間『ART MON ZEN KYOTO』
このホテルの建築は、日本の伝統的な建築様式である、数寄屋造りの様式と、洋室の快適さを融合させた和モダンな建築になっています。
数寄屋とはもとは小規模な茶室のことです。定まった形式はありませんが、竹や杉皮、土塀など自然の素材の良さを取り入れた、シンプルなデザインが特徴です。
このホテルを作った『中西松豊軒』は、創業が1907年で、100年の歴史を持つ古美術商です。
「名品にチャレンジする」という理念のもと、美術品をもっと身近に見学したり、購入したりできるギャラリー を作るなど、美術品をより一般的に、より多くの人にアピールできるように、活動を行っています。
そういった活動の新たな試みの一つが、『ART MON ZEN KYOTO』です。
お部屋自体も美術品『ART MON ZEN KYOTO』
お部屋そのものも「美術品」といえるかもしれない、『ART MON ZEN KYOTO』のお部屋をご紹介していきます。
お部屋の天井の高さは3m以上
ホテルは4階立てで、客室はわずか15室です。天井の高さはだいたい3m以上あるので、空間が広く感じますよ。
各部屋はそれぞれ個性的で、例えば「なぐり」という表面加工を施したお部屋や、プラネタリウムを設置したお部屋、メゾットタイプのお部屋などがあります。
尾州檜が贅沢に使われていて、ハリウッドスタイルのベッドはこのホテルの特別設計です。
アメニティは自然派スキンケアブランド
アメニティではフランス発の自然派スキンケアブランド「オムニサンス・パリ(omnisens paris)」のボディケアを用意しています。
ペントハウスは美術館
最高級のお部屋、ペントハウスは『中西松豊軒』のコレクションルームです。まさに美術館の中で泊まるお部屋ですね。広さは66㎡でプレネタリウムがついています。
メゾットタイプのお部屋、デュプレックスは80㎡でプラネタリウム付がついています。
エグゼクティブは50㎡、コーナープレミアムは53㎡〜48㎡、デラックスは44㎡、スペーリアは34㎡です。
用の美『ART MON ZEN KYOTO』の美術品
日本人は歴史を通して「用の美」といわれる実用的な工芸品を愛し、大事に育ててきました。
茶道具もまた、そういった「用の美」の一つです。このホテルでは、そういった職人による美術工芸品や海外の美術品、現代アートまで「中西松豊軒」が目利きした作品がお部屋に飾られています。
椿の水差し
『ART MON ZEN KYOTO』に置かれている美術品 をいくつかみていきましょう。上の写真は茶道具の「水差し」です。
「河鍋 暁斎」の掛け軸
上の写真は「河鍋 暁斎」の掛け軸です。「河鍋 暁斎」は、幕末から明治にかけて活躍した浮世絵師、日本画家。号は「きょうさい」と読みます。
江戸の画家・田中納言の絵
田中納言(たなかとつげん)は江戸時代中期頃から画家として活動していた人物で、復古大和絵派の中心人物としても知られています。
花入れと団扇
上の写真は、「羽與兵衛」の花入れと、江戸の陶工で絵師の「尾形乾山」の団扇です。
「盛盞瓶 せいさんぴん』
上の写真は「盛盞瓶」(仙盞瓶・洗盞瓶とも書きます)です。水注ぎ或いは酒注ぎとして使われたのではないかと考えられています。日本では茶の世界に用いられ、花入れなど自由な使われ方をしました。
このような美術品を間近に見られるのは、『ART MON ZEN KYOTO』ならではですね。
お食事もおもてなし『ART MON ZEN KYOTO』
ゲストはディナーの準備が整うまで、天外でわくわくしながら準備ができるのを待ちます。「茶」のおもてなしの心がここでも感じられますね。
イタリア料理 「GALLERIA KYOTO」
「本物を知る大人のこだわり」がコンセプトの「GALLERIA KYOTO」では、イタリア料理を基盤に、和食の技法を取り混ぜた形式に囚われない新しいお料理を提供しています。
器は美術商が経営するホテルらしく、お料理を一層引きたれる素晴らしいものです。
『37 Grill – Bar & Lounge』
一階のレストラン・バー『37 Grill – Bar & Lounge』では、上質のお肉やお魚、オーガニックのお野菜のグリル料理を味わうことができますよ。
京懐石「祇園松むろ」
『ART MON ZEN KYOTO』の別館には、京懐石「祇園松むろ」があります。写真はランチのミニ懐石です。
朝食はコンチネンタルスタイル
朝食はコンチネンタルスタイル。パン・フルーツ・シリアルなど、火を通さないお料理が中心となります。
『ART MON ZEN KYOTO』へのアクセス
それでは『ART MON ZEN KYOTO』への行き方をご案内します。
- JR東海道新幹線「京都駅」から…タクシーで約15分
- 関西空港から…空港バスで「三条京阪」まで約110分…徒歩数分
- 関西空港からJR特急はるかで「京都」駅まで約90分/JR「京都」駅からタクシーで約15分
- 伊丹空港から…伊丹空港から空港バスでJR「京都」駅まで約55分/JR「京都」駅からタクシーで約15分
- 伊丹空港から空港バスで「京都市役所前」まで約75分/「京都市役所前」からタクシーで約5分
- 〒605-0089 京都府京都市東山区元町391番地
- 075-551-0009
- 『ART MON ZEN KYOTO』公式HP
- IN 15:00 OUT 11:00
『中西松豊軒』と『ART MON ZEN KYOTO』
『ART MON ZEN KYOTO』から歩いて1分のところ「中西松豊軒」があります。ホテルのすぐ近くですので、『ART MON ZEN KYOTO』に宿泊したときは、ぜひ立ち寄ってくださいね。
『中西松豊軒』では、桃山時代から江戸時代にかけての茶道美術を中心に、日本・西洋美術の名品、そして現代アートをとりあつかっています。茶道具を拝見することもできますよ。
『中西松豊軒』はギャラリー もあります。現代アートの作品や、それに合わせたイベントも開かれています。古いものを土台に新しいものを作っていく、京都の文化の奥深さを感じますね。
『ART MON ZEN KYOTO』と格式高い祇園の街
京都は格式の高い街であり、街の空気はちょっと他の町とは違います。京都を歩くと、歴史と文化の重みが街を包んでいるのを、肌で感じるでしょう。
花街祇園
京都祇園といえば、舞妓さんを連想される方も多いでしょう。祇園は日本で最も格式の高い花街(芸者遊びができる場所)として有名です。
祇園には、江戸の末期から明治の初めにかけての茶屋形式の町屋が今も形を残していて、北部の白川沿いの地区は祇園新橋重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。
古美術の街「祇園古門前通」
祇園古門前というのは、祇園の一角にあり、「知恩院」の門前町として栄えました。
鴨川の東側、三条大橋を南に下ったところにある「祇園古門前通」は、日本でも有数の古美術街です。格式の高い骨董品や古美術を扱うお店が並んでいます。
明治のはじめから古美術の町として知られていて、古書画、骨董、アンティーク などの店が軒を連ねる、日本有数の古美術の町です。
お散歩がてら、『ART MON ZEN KYOTO』周辺の祇園の町を歩いてみてください。骨董品店の他、アートギャラリーや、おしゃれな喫茶店などがあり、楽しいですよ。
『ART MON ZEN KYOTO』まとめ
これまで、『ART MON ZEN KYOTO』の魅力、コンセプト、お部屋、ART『中西松豊軒』祇園の街についてお伝えしてきました。
京都は古い街です。そして古い街ならではの、歴史や文化の重みが街の味わいとなっています。
その京都の街で育てられ、京都の文化を体現したような『ART MON ZEN KYOTO』に是非宿泊してください。きっとあなたの感性に響く、素晴らしいホテルですよ。