「飛行機で行われる手荷物検査で、注意するべきことはありますか?」「2019年9月に手荷物検査が厳しくなり、変わった点が知りたい!」という疑問や悩みを持っている方は、多いと思います。
普段から飛行機に乗る方はいいですが、なかなか飛行機に乗ることがない人にとっては、とても慣れない検査ですよね。
そこで、今回は飛行機に乗る前に受ける手荷物検査について”検査の流れ”や、”気を付けなければならない点”、”注意点”などをまとめましたので、順番に紹介していきますね。
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【飛行機・手荷物検査】保安検査の目的
保安検査の目的は、飛行機の安全・飛行機に乗るすべての人の安全を守るために必要な検査です。
そのため、”危険物”に該当する爆発や発火の恐れのあるものや、有毒物質などの”凶器”になり得るものが機内に持ち込まれないように、乗客一人一人の手荷物や身につけているモノを厳重に検査しています。
そこで、保安検査場で行われる検査手順を紹介していきますので、渡航前に確認してみてくださいね。
【飛行機・手荷物検査】保安検査場での流れについて
保安検査場は、飛行機の安全・搭乗される方の安全を確保するために、ボディチェックや、機内に持ち込む手荷物検査を行う場所です。
空港に到着してから飛行機に乗り込むまでの主な流れは、次の通りです。
- 空港に到着
- 搭乗手続きを行う
- トランクケースなどのを預ける
- 機内持ち込みの手荷物検査
- 飛行機に搭乗
なお、ほとんどの国内線で利用可能な“スキップサービス”を利用することにより、空港に到着後とてもスムーズに手荷物検査まで向かうことができます。
大変便利な「スキップサービス」について簡単に説明していきますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
スキップサービスとは?
スキップサービスとは、QRコード(2次元バーコード)をパソコンやスマートフォンから取得し、搭乗手続きをせずに保安検査場へ”スキップ”できるサービスです。
また、大きなトランクケースなど機内に持ち込めないものを預ける場合でも、手荷物カウンターでQRコードの利用ができ、とてもスムーズに手続きできます。
そこで、次にスキップサービスがご利用可能な航空会社を紹介しますね。なお、航空会社でそれぞれ名前が異なりますが、内容はほとんど同じですので、安心してくださいね。
スキップサービスを利用できる航空会社は?
スキップサービスは、もともとANAが始めたサービスであり、ANAが特許を持っています。なので、JALでは“タッチ&ゴー”と呼ばれています。
QRコード(2次元バーコード)を利用できる航空会社と利用できない航空会社はこちらです。
- ANA(名前:スキップサービス)
- JAL(名前:タッチ&ゴー)
- スターフライヤー(名前:スキップサービス)
- エア・ドゥ(名前:スキップサービス)
- ソラシドエア(名前:スキップサービス)
- LCC・ジェットスター(PCやスマホから事前登録は可能)
- LCC・バニラエア(PCやスマホから事前登録は可能)
- LCC・ピーチ(空港での手続きのみ)
ANAをはじめ、JALやスターフライヤーなどほとんどの航空会社で、QRコードは利用可能です。LCC(格安空港会社)では事前手続きの形態が変わりますがスキップは可能です。
なお、LCCである“ピーチ”だけは空港での手続きが必要なので、余裕を持った行動をこころがけ空港でゆっくり待つことをおすすめします。
次から、手荷物検査場での主な流れについて紹介していきますので、飛行機に乗る予定のある方はぜひ参考にしてみてくさいね。
【飛行機】手荷物検査場での流れについて
保安検査場では、まず搭乗券(スキップサービスの場合:eチケット)のチェックを行い、金属探知機のゲートを通り、場合によっては同性によるボディチェックが行われます。
eチケットとは、スキップサービス時のチケットのことであり、紙の航空券で起こり得る「航空券の紛失」「航空券の盗難」の恐れがないのがメリットですね。
金属探知機のゲートを通過する際に手荷物のカバンは、X線監査装置を通過し、中身をくまなくチェックします。
なお、保安検査場でもQRコード(2次元バーコード)は利用可能なので、QRコードの準備をしておくとスムーズに検査へ移ることができますよ。
国内線の場合は、QRコードのeチケットを印刷しなくても問題ありませんが、国際線の場合は入国審査の時に提示が必要なので、印刷しておくと便利ですよ!
次に、金属探知機のゲートを通過する際の注意点などを深堀していきますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
【飛行機・手荷物検査】金属探知機のゲートを通過する
保安検査場で航空券または、QRコード(2次元バーコード)の確認を終えたら、まず金属探知機のゲートをくぐります。
そのゲートをくぐる際に、金属探知機で金属反応が出てしまった場合は、再検査または同性によるボディチェックが行われるんです!
そこで、金属探知機のゲートで反応が出やすいモノを6点紹介していきますので、スムーズにゲートを通過するために参考にしてみてくださいね。
【飛行機・手荷物検査】金属探知機で反応が出やすいモノ6点
保安検査場で金属探知機のゲートをくぐる前までに、金属類だと思うものは、1つのバックなどにまとめて入れておくとスムーズに検査が進みます。
周りの搭乗者へ配慮をし、検査の時間を短縮するには金属探知機で反応のでやすいモノを知ることです。
では、早速反応がでやすいモノ6点を順番に紹介していきますね。
その①「スマートフォンやタブレット」
1つ目に紹介する”反応の出やすいモノ”は、スマホやタブレットなどの端末、ノートパソコン、携帯ゲーム機などの電子機器類です。
特にスマホなど洋服のポケットに入れ持ち歩く方が多いため、そのまま金属探知機のゲートをくぐり、ブザーが鳴ることがあります。
ポケットに入る小型電子機器類を普段からポケットに入れて持ち歩く方は、手荷物バックの中に必ず入れるようにしてくださいね。
スマホやノートパソコンなどは、X線検査を行ってもデータが消失したり、記録媒体などが故障したりしませんので、安心して検査を行ってくださいね。
その②「財布や小銭入れ」
2つ目に紹介する”反応の出やすいモノ”は、財布や小銭入れなどの小物類です。
小物類をズボンのポケットに入れたまま金属探知機のゲートをくぐると、ブザーが鳴る恐れがあります。
普段から洋服のポケットに小銭などを入れて持ち歩く方は、ポケットの中に小銭が入ってないかどうかも確認が必要ですね。
その③「ピアスやネックレスなどの貴金属類」
3つ目に紹介する”反応の出やすいモノ”は、ピアスやネックレスなどの貴金属類です。
なお、小さいピアスやネックレスなどは反応しないこともありますが、念のため外すことをおすすめします。
またピアスやイヤリング、ネックレスなど取り外すのに時間がかかる場合は、事前に取り外し小物入れなどに入れておくようにしてくださいね。
普段から取り外さず、つけっぱなしにされている方は、特に注意が必要ですよ!
その④「家や車の鍵」
4つ目に紹介する”反応の出やすいモノ”は、家や車の鍵などの鍵(金属)類です。
キーケースに複数の鍵をまとめてある状態ですと、余計に反応しやすくなります。
そのため、財布や小銭入れと同じく小物類はポケットに入れたまま忘れがちになってしまうので、注意してくださいね。
その⑤「大きな金具がついたベルト」
5つ目に紹介する”反応の出やすいモノ”は、大きな金具(バックル)がついたベルトです。
そのようなベルトを着用していると反応する場合がありますので、ゲートをくぐる前に確認しておいてくださいね。
また、ベルトの金具(バックル)だけではなく、安全靴や装飾品が施されたブーツなども反応しやすいため注意が必要ですよ!
その⑥「人工関節を埋め込んでいる場合」
6つ目に紹介する”反応の出やすいモノ”は、持ち物ではないのですが、手術などによって体内に埋め込まれた人工関節などです。
人工関節を埋め込んでいる方は、手荷物検査を行う前に保安検査場にいる検査員に「人工関節を埋め込む手術をしています!」と伝えてくださいね。
同性の検査員によるボディチェックを行い、事実確認ができれば通常の検査の流れと同じです。なお、診断書などの証明書を提示すれば、スムーズに手荷物検査へ移動できますよ!
ペースメーカーや車椅子などを使用されている方で、検査機器による検査に不安のある方は検査員に伝えてくださいね。不安がなく、ストレスのかからない別の検査方法があります。
なお、医療面での不安がある方は、こちらのサイトを事前に確認しておいてくださいね。航空機を利用されるおからだの不自由なお客様の保安検査について
【飛行機・手荷物検査】保安検査の強化で変わったこと3点
2019年9月13日から約2ヶ月間、「ラグビーワールドカップ2019」が日本で開催されました。海外から日本に訪れる観光客が増えることが予想されたため、保安検査はより一層強化されたんです!
保安検査の強化により、これまでより検査に時間がかかることが予想されています。
そこで、保安検査の強化で変わったこと3点を順番に紹介していきますので、事前に確認しておいてくださいね。
強化①「上着の脱衣が必須」
1つ目に紹介する”保安検査が強化”された点は、上着の脱衣が必須になったことです。
すべての搭乗者のコートやジャケット、パーカーなどの上着が検査の対象となります。
保安検査場では上着を必ず脱いで専用トレーに乗せ、金属探知機の検査を受けてくださいね。
強化②「靴検査」
2つ目に紹介する”保安検査が強化”された点は、靴の検査です。靴の中に凶器や爆発物、麻薬などが隠されていないかを調べるためです。
くるぶしを覆うロングブーツや、バスケットシューズ(ハイカットシューズ)をはじめ、厚底の靴、金属などの装飾が施されている靴などの検査を徹底するようになりました。
これらの靴を履いている場合は、保安検査場では脱ぎ、専用のトレーに乗せ金属探知機の検査を受けてくださいね。
強化③「爆発物などの検査」
3つ目に紹介する”保安検査が強化”された点は、爆発物などの検査を強化したことです。
これまでは、検査員がナイフやハサミなどの凶器となり得るものや、爆発物などを所持していないか確認するために、無作為にボディチェックしてきました。
保安検査が強化されてからは、爆発物専用の検査装置を使った検査を新たに行うようになったのです。
保安検査が強化されたため、今までの検査とは違い予期せぬ事で、再検査になる確率が増えています。そこで、保安検査で起こりうるトラブルをまとめましたので、ぜひ空港に到着する前に確認しておいてくださいね。
【飛行機・手荷物検査】保安検査で起こるトラブル
この章では、保安検査場で起こりやすい4つのトラブルについて紹介していきます。
初めての場合や久しぶりの場合、保安検査場を通過するのは何かと不安ですよね。焦ってしまうと何らかのトラブルが起こる可能性もあります。
予めトラブルの原因を把握・確認し、実際に保安検査場へ行ったときにスムーズに通過するための準備をしていきましょうね。主に保安検査場で起こるトラブルは以下4つです。
- 【慌てる】…探知機が何に反応しているのかわからず、慌ててしまう。
- 【忘れ物】…パスポートなどを検査台に忘れてしまう。
- 【没収される】…香水やお酒の瓶などが入っていた為、没収されてしまう。
- 【※タイムプレッシャー】…搭乗時間に間に合わないと思い焦ってしまう。
※タイムプレッシャーとは、自分の作業にぎりぎり許される時間(タイムリミット)を設けることです。
保安検査場では、慣れない作業や焦りなどで、このような事が起こりうる可能性が高いです。気持ちに余裕を持ち、落ち着いて行動できるよう、早めの行動を意識してくださいね。
【飛行機・手荷物検査】手荷物のX線検査
カバンの中から取り出した荷物を専用トレーに乗せ、X線で中身の検査を行います。
そこでPCや飲食物、危険物などが入っていますと再検査になる場合があるので気を付けてくださいね。
また、何度も再検査になってしまう場合は、CTスキャナー装置を使用することがあります。
CTスキャナー装置は、画像を立体的かつ精密に映し出すことにより、カバンの中身を隈なくチェックできるんです。
フィルムカメラをお持ちの方は、X線検査を行うとフィルムに影響が出ることがありますので、保安検査場にいるスタッフの方に相談してみてくださいね。
次に再検査にならないための注意点2つを順番に紹介していきます。スムーズに保安検査場を通過するために、ぜひ確認しておいてくださいね。
【手荷物のX線検査】カバンから取り出すモノ
財布は手に持っていたり、洋服のポケットに入れていたりしたままゲートを通過することはできませんが、カバンの中に入れた状態であればゲートを通過できます。
カバンから取り出してX線検査をそれぞれ受けないと、再検査を受けなければならい場合があるため、検査前に手荷物のカバンから取り出さなければならないモノをまとめました。是非参考にしてください。
- PC・タブレット・大型バッテリーなどの電子機器全般
- 虫除けスプレー、ヘアスプレー
- ライター(※1人1個まで)
- ヘアアイロン(※ガス式の場合は、1人1個まで)
- 食べ物
- ペットボトルや水筒などの飲み物類(※開封後のペットボトルは、液体物専用機器で検査、水筒などの飲み物は匂いチェックを行う)
上記の荷物はあらかじめ、カバンの中から取り出しておきましょう。できれば事前に取り出しておき、別の袋にまとめて入れておくとスムーズに搭乗まで移行できますよ。
保安検査で、没収される確率が高いのは”液体物”です!100㎖を超える液体物(化粧水など)などがある場合は、カウンターで預ける受託手荷物の中に入れておくようにしてくださいね。
【手荷物のX線検査】機内に持ち込めないものは捨てる!
保安検査場では、ハサミやナイフなどの刃物類など機内へ持ち込めないものを所持していると廃棄箱に捨てる必要があります。
いくら高価なものであっても保安検査場で、金属探知機やX線検査で反応してしまうと、捨てることになりますので、機内に持ち込めない荷物は事前に把握しておきましょうね。
- ナイフ・ハサミなどの刃物類(ハイジャックやテロ防止)
- スタンガン
- バット類・ゴルフクラブ類(硬くて、棒状のモノ)
- おもちゃの銃や手錠など(他の搭乗者が誤認してしまう恐れがあるモノ)
- 高圧ガス(カセットコンロ用ガス、キャンプ用ガス、スプレー缶など)
- 火薬類(花火、クラッカーなど)
- 可燃性物質(マッチ、炭など)
- 毒物類(殺虫剤、農薬など)
- 腐食性物質(液体バッテリー、水銀)
- その他有害物質(エンジン)
機内持ち込みが禁止されているモノを機内に持ち込み、添乗員などに見つかりますと、航空法違反として50万円以下の罰金が科せられることがあります。
この荷物は、怪しいなと思うものは保安検査場にて、相談するか廃棄しておくことをおすすめします。
【飛行機・手荷物検査】「焦らないために事前準備する!」
保安検査場で大切なのが、焦らず検査を受けられるように事前準備をしっかり行うことです。事前準備がしっかりできていれば、時間に余裕を持って行動できます。
1つ1つ荷物を取り出していますと、非常に時間がかかりますよね。また搭乗時間ギリギリで急いでいたり、スムーズに検査が行えず後ろに並んでいる方からの圧を感じたりして、焦ってしまうこともあるんです。
特に学生の夏休み時期や帰省ラッシュの年末年始、通勤時間帯などは、空港が非常に混雑する可能性が高いです。
時間に余裕を持ち手荷物検査をスムーズに終わらせ、搭乗口のソファーなどでくつろぎながら、出発時刻を待つことをおすすめします。
金属探知機で反応の出やすいモノを1つにまとめておいたり、上着などの衣類を脱いでおいたりと準備しておくことが、スムーズに検査を終えるコツですよ。
また保安検査場は、通過しなければいけない時刻が決まっていますので、時間がかかることを想定し、早めの行動を心がけてくださいね。
LCC(格安空港)の搭乗口は、保安検査場から離れている場所にありますので、より一層の早めの行動を意識してくださいね。
さらに、2019年10月27日に保安検査場の締め切り時刻の変更がありましたので、以下の表を確認しておいてくださいね。
対象空港 | 変更前(2019.10.26まで) | 変更後(2019.10.27から) |
すべての国内空港 | 出発時刻の15分~25分前 | 出発時刻の20分前 |
まとめ
今回は、飛行機に乗る際に受ける手荷物検査についての手順や、注意点などを紹介してきました。
最後にもう一度“保安検査場での手荷物検査の流れ”を簡単におさらいしていきますので、確認してみてくださいね。
- コートやジャケットなどの上着を脱いで、専用トレーに入れる
- 手荷物のバックを専用トレーに入れる
- 手荷物バックの中のPC、タブレット端末などを取り出し専用トレーに入れる
- 液体物(飲料水や化粧水など)は、専用トレーに入れる(※1ℓ以下の容器)
- 身につけている金属類(財布・スマフォなど)・衣類(マフラーや帽子など)を外す
- くるぶしを覆う靴や厚底、装飾の多い靴は脱いで、専用トレーに入れる
- 金属探知機のゲートをくぐる
- 金属探知機の検査でブザーがなる場合は、追加検査を行う
- 手荷物をX線検査し、問題がなければ荷物を受け取り搭乗口へ向かう
保安検査場では、このような検査内容で、手荷物検査を行っています。事前準備の段階で荷物を分別し、まとめておくことがとても大切です。
また、慣れない検査なので気持ちの余裕を持つことが、スムーズに検査を行うコツです。本記事を参考にしつつ、早め早めの行動を意識してくださいね。