「飛行機を利用して旅行に行くけど、飛行機事故が怖いから安全な座席を予約したい!」
飛行機は乗り物の中で最も事故件数が少ないのですが、1度事故が起こると被害が大きいので、安全な座席に座りたいと考える方も多いのではないでしょうか。
そこで、当記事では飛行機の中で安全な座席について紹介します。併せて「危険な席」についても紹介しますので、飛行機を利用する予定がある方は、ぜひ参考にしてくださいね。
トップ画像出典:https://pixabay.com/ja/photos/飛行機-旅行-フライト-座席-1209752/
飛行機で安全な座席の位置は?
飛行機は主に、前方部・中央部・後方部によって安全性に違いがあります。
2007年にポピュラーメカニクス誌が生存率を、2014年にタイム誌が死亡率を、NTSBのデータを基に数値を出しているので紹介しますね。
ポピュラーメカニクス誌によると事故が起きたときの生存率は前方部が49%、中央部が56%、後方部が69%です。生存率が最も高い後方部と低い前方部では20%も異なっています。
タイム誌によると事故が起きたときの死亡率は前方部が38%、中央部が39%、後方部が32%です。最も死亡率が高い中央部と、最も低い後方部では7%も異なってきます。
生存率(ポピュラーメカニクス誌参考) | 死亡率(タイム誌参考) | |
前方部 | 49% | 38% |
中央部 | 56% | 39% |
後方部 | 69% | 32% |
生存率が最も高く、死亡率が最も低い後方部の座席が1番安全ということが分かります。しかし、前方部と中央部はポピュラーメカニクス誌とタイム誌が出している数値で安全性が異なる結果となっています。
そこで、次の章で不時着したときにかかる重力を元に、前方部と中央部でどちらが安全性が低いのか説明していきますね。
飛行機が不時着した時にかかる重力は?
飛行機が不時着した時にかかる重力加速度(G)によっても、安全性は変わってきます。重力加速度が小さくなるほど飛行機の損傷が少なく、生存率が高くなっていきます。
それでは、飛行機が不時着した際にかかる重力加速度がどのくらいなのか紹介しますね。ディスカバリーチャンネルによると、前方部は約12G、中央部が8G、後方部が6Gです。
1番重力加速度が小さいのは後方部の6Gであり、最も高いのは前方部の12Gです。
先ほど紹介した死亡率は中央部の方が1%高い結果となりましたが、生存率が最も低く重力加速度が大きい前方部が、安全性が低いといえるでしょう。
飛行機で最も安全な座席は?
先ほどの章で安全性が高い座席は後方部と書きましたが、後方部の中でも列によって安全性が異なってきます。
最も安全性が高い座席は、通路に面していない中央の席です。タイム誌によると、通路に面していない中央の座席は死亡率は28%とのことです。後方部全体の死亡率である32%と比べて、4%低い結果となっています。
通路に面していない座席は、トイレなどに行きづらいという理由から避ける方も多いですが、安全性を考えるならおすすめの座席です。
生存者が生き延びる可能性が高い非常口付近の座席も安全?
今まで事故が起こったときの死亡率や生存率について紹介しまたが、事故が起きたときの生存者が生き延びる可能性が高い座席もあります。
英グリニッジ大学の研究結果によると、非常口から5列目以内の座席は生存率が上がると言っています。
どれほど生存率が上がるのか数字はありませんでしたが、非常口に近い座席の方がすぐに飛行機から脱出できることが理由として挙げられるでしょう。
墜落事故の死亡原因の68%が墜落後の火災によるものなので、すぐに飛行機から脱出することの大切さが分かりますね。
非常口の目の前は注意が必要!
非常口から近い方が生存率が上がると言いましたが、注意が必要な座席もあります。注意が必要な座席とは、非常口を結ぶ通路に接している座席列の通路後方の非常口座席です。
画像の45列目、窓側2席分が非常口座席にあたります。非常口座席は緊急脱出の際にCAの援助をする必要があり、他の乗客が避難し終わってからの脱出となります。
援助の内容としては非常ドアの操作や他の乗客を速やかに避難させること、脱出口の下であとから脱出する乗客の援助などです。
速やかに避難させる援助をするよう指示された際は、他の乗客より避難が遅れるということを予め知っておくと良いでしょう。
安全性の低い座席はどこ?
安全性の高い座席について紹介しましたが、反対に安全性の低い座席はどこなのでしょうか。実は列によっては、中央でも前方よりも死亡率が高い座席があります。
最も安全性が低い座席は、中央部の通路側の席です。タイム誌によると中央部の通路側の座席の死亡率は、44%まであがると言われています。前方部全体の死亡率38%と比べて、6%も高い結果となっています。
そのため、安全性を求めるなら中央部の通路側の席は選ばないようにしましょう。
窓際の座席は安全上おすすめできない
中央部の通路側の座席以外にも、安全性の問題から避けた方が良い座席もあります。それは、窓側の座席です。
窓側の座席は、窓が割れた際にガラスが刺さる可能性や窓の外に吸い出される可能性があるからです。
実際に2018年の米飛行機のエンジントラブルにより、女性が窓の外に吸い出されて死亡した事故がありました。女性は上半身が窓の外に出た状態となり、頭部や首などの打撲により亡くなってしまいました。
実際に死亡事故が起こっているので、窓際の座席は避けた方が良いでしょう。
飛行機事故はいつ起こるか分からないから事前の対策を!
飛行機事故はいつ起こるか分かりません。いざ起こったときにパニックにならないよう、搭乗時にあなたができる対策を紹介しますね。
- 自分の座席から1番近い非常口を確認
- 安全のしおりを読み、離陸前の安全に関するアナウンスを聞く
- 腰骨付近でたるまないようにシートベルトを着用する
上記3つは、事故が起こる前からできる対策です。それぞれ詳しく説明していきますので、飛行機を利用する際は実践してくださいね。
自分の席から1番近い非常口を確認
不時着など事故が起きたときは機内に煙が充満し、前が見えない可能性もあります。そのため、搭乗した段階でどこに非常口があるのか、確認しておくと良いでしょう。
安全のしおりを読み、離陸前の安全に関するアナウンスを聞く
何度か読んでいるから、聞いているからという理由で安全のしおりを読まなかったりアナウンスを聞いていなかったりする方もいます。しかし、事故が起きたときにとっさに思い出せる人はどれ程いるでしょうか?
事故が起きたときは冷静でいることが大切なので、パニックにならないよう事前に読んで、聞いておいてくださいね。
腰骨付近でたるまないようにシートベルトを着用する
腰骨付近でシートベルトを着用すると、柔らかい腹部で着用するよりもしっかりと体を支えてくれます。また墜落事故のときは、数センチのたるみでも体にかかる重力は3倍になるので常にたるみがないようにしましょう。
日頃から腰骨付近で、たるまないように着用することが大切ですよ!もちろん、寝ている間もシートベルトを着用してくださいね。
飛行機事故は実際少ない!
飛行機事故の実例なども交えて飛行機の座席の安全性について説明してきましたが、飛行機事故はあなたが思っているよりもずっと少ないので飛行機に乗ることを怖がらないでくださいね。
国家運輸安全委員会によると、飛行機で死亡事故にあう確率は0.0009%です。自動車や自転車などの交通事故で死亡する確率は0.003%であり、交通事故と比べ飛行機の死亡事故は少ないことが分かります。
また、運輸安全委員会によると日本で過去10年間にあった飛行機の事故件数(死亡事故以外も含む)は34件であり、鉄道の事故件数の155件と比べて少ないことが分かります。
このことから、飛行機は乗り物の中でも安全性が高いと言えるでしょう。飛行機事故を恐れずに、ぜひ飛行機を利用して旅行を楽しんでくださいね!
飛行機の安全な座席まとめ
飛行機の安全な座席について紹介してきました。最も安全性の高い座席は、後方部の通路に面していない中央の席です。また、非常口から5列目以内の座席も生存率が上がります。
そのため、後方部の非常口から5列目以内の真ん中の座席が最も安全です。
しかし飛行機の種類によっては、非常口側の座席は2列しかない場合もあります。通路側も窓側も危険ですので、2列しかない場合は非常口から近い真ん中の座席を取るようにすると良いですね。
- 後方部の通路に面していない中央の席
- 非常口から5列目以内
反対に、最も危険な座席は中央部の通路側の席ですので、安全性を考えるなら避けるようにしましょう。
- 中央部の通路側の席
- 窓側の席