クレジットカードには、海外旅行保険が付帯されているケースが多くあります。今回紹介するリクルートカードも、海外旅行保険が付帯されているクレジットカードの1つです。
クレジットカードに詳しくない人は、クレジットカードに付帯されている海外旅行保険についてもわからないというのが本音ですよね。
しっかりと調べなければわからない海外旅行保険について、今回はリクルートカードに付帯されている海外旅行保険の基本知識や豆知識などを紹介していきます。
(アイキャッチ画像出典:https://recruit-card.jp/)
リクルートカードは年会費永年無料!
大手「リクルート」グループのリクルートカードは、カードの発行手数料や年会費が無料です。年会費は、永年無料ですので、非常にお得ですよ。
旅行へ行く際には、航空券や宿泊費の他にも、お土産代や現地での交通費、施設への入場料など何かと出費はかさむものですよね。それでも、予期せぬ病気や怪我はいつ起きてもおかしくありません。
病気や怪我の場合には病院へ行くことになりますが、海外の医療費は日本と比べても非常に高いんです。(後ほど紹介しましょう。)
リクルートカードに付帯されている海外旅行保険があれば、急な医療費の出費も補償してくれるので、リクルートカードは持っておいて損がないカードですよ。
リクルートカードの海外旅行保険の補償内容・保険金額
では早速、リクルートカードの海外旅行保険によって補償内容と保険金額について、紹介します。
補償項目 | 金額 |
---|---|
傷害による死亡・後遺障害 | 最高2,000万円 |
傷害による治療費用 | 100万円限度 |
疾病による治療費用 | 100万円限度 |
賠償責任 | 2,000万円限度 |
携行品の損害(自己負担額1事故3,000円) | 20万円限度 |
救援者費用等 | 100万円限度 |
補償内容と保険金額については上記表の通りとなっています。当サイト「やすたび」で紹介している「Booking.comカード」や「ハマカード」と、補償内容については大きな違いはありません。
リクルートカードは傷害・疾病治療の保険金額が低い
前章にて補償される内容や金額について紹介してきましたが、リクルートカードは傷害・疾病治療の保険金額が低いという特徴があります。
当サイト「やすたび」で紹介している「ハマカード」は、傷害治療も疾病治療も最高200万円まで補償されるため、リクルートカードよりも保険金額が100万円も多くなるのです。
後ほど詳しく紹介しますが、ハマカードはリクルートカードの海外旅行保険の「上乗せ」用として持っておくのもおすすめですよ。
リクルートカードの海外旅行保険は利用付帯
リクルートカードの海外旅行保険の補償内容や保険金額がわかったところで、では、どのようにして海外旅行保険が適用対象となるのか、その条件について紹介していきます。
基本的にクレジットカードに付帯されている旅行保険は「自動付帯」と「利用付帯」とに分かれています。
- 自動付帯:当該カードを持って海外旅行に行くだけで保険の適用対象となる。
- 利用付帯:旅費の支払いに当該カードを利用することで、保険が適用対象となる。
「持っているだけでいい」のが自動付帯のカードで、旅費の支払いなどのなんらかの条件があるのが利用付帯のカードです。リクルートカードに関しては、後者の「利用付帯」となっています。
なお、リクルートカードの利用付帯の条件に関しては、以下のように記載があります。
リクルートカードで日本出国前に、「搭乗する公共交通乗用具」または「参加する募集型企画旅行」の料金をお支払いになった場合に、海外旅行傷害保険が適用されます。
引用:https://www.jcb.co.jp/ordercard/teikei/recruit_tk.html
例えば旅行でグアムに行く場合には、グアムへ行く際に使う飛行機のチケット代金をリクルートカードで支払う必要があるということです。
なお、リクルートカードはポイントの還元率が1.2%と非常に高いので、「メインのクレジットカードはこれなんだ!」という1枚を持っていない場合には、旅費の支払いはリクルートカードの利用がおすすめ。
なお、「ハマカード」は自動付帯ですので、カードを持って海外旅行に行くだけで、海外旅行保険の適用対象となります。
リクルートカードの保険適用期間を伸ばす方法(裏技)
リクルートカードは保険の適用対象期間が90日間と決まっています。
多くの「利用付帯」のカードは日本を出国する前にカードを利用し、出国したその日から〇〇日間が保険の適用対象期間という決まりになっています。
ただ、一部の「利用付帯」のカードの中には、海外で当該カードを利用して支払いをしたその日から〇〇日間保険が適用されるカードもあるんです。
上述した「海外でカードを利用しても保険が適用されるカード」を持っていると、1度の海外旅行でも保険の適用期間を伸ばすことができるのです。これが裏技です。リクルートカードも”裏技”が使えるんですよ。
- 2019年3月31日:旅費の支払い(「出国から90日間」の海外旅行保険が付帯されているクレジットカードAで支払い)
- 2019年4月1日:出国
- 2019年6月30日:クレジットカードAの保険適用対象期間(出国から90日間)
例えば、「出国から90日間」の海外旅行保険が付帯されているクレジットカードAを使って旅行に行った場合には、6月30日までに起きた傷害や疾病の治療に関しては保険の適用対象となります。
しかし、上記の例と同じ条件下で、6月29日にリクルートカードを現地で利用したとすると、保険の適用対象期間がさらに伸びるのです。
- 2019年3月31日:旅費の支払い(「出国から90日間」の海外旅行保険が付帯されているクレジットカードAで支払い)
- 2019年4月1日:出国(クレジットカードAの保険適用対象期間は6月30日まで)
- 2019年6月29日:現地の公共交通乗用具の支払い(リクルートカードを利用する)
- 2019年6月30日:クレジットカードAの保険適用対象期間(出国から90日間)
- 2019年9月27日:リクルートカードの保険適用対象期間(支払い日から90日間)
6月29日にリクルートカードを利用すると、支払い日(利用日)から90日間さらに保険の適用対象期間が伸びるため、4月1日に出国をした場合でも、9月27日まで保険の適用対象期間を伸ばすことができるのです。
この章で紹介した”裏技”に関しては、長期滞在に非常におすすめなので、3ヶ月以上の滞在を予定している人は、ぜひ”裏技”を試してみてくださいね。
“裏技”を試す場合には、「出国日から〇〇日間」が保険の適用対象期間となる利用付帯のクレジットカードを出国前に利用するか、自動付帯のクレジットカードを持っていきましょう。
「出国日から〇〇日間」が保険の適用対象期間となる利用付帯のクレジットカードor自動付帯のクレジットカードの保険の適用対象期間が終わる直前に、リクルートカードを利用してください。
裏技の利用は、1枚のカードにつき1度の旅行だけ
なお、海外でリクルートカードを使うその都度、利用したその日から90日間保険が適用対象となるわけではありません。
クレジットカードの海外旅行保険は、1枚のクレジットカードにつき、1回の海外旅行中に1度利用すると、それ以上保険の補償期間を伸ばすことはできません。
現地でリクルートカードを使う場合には、最初にリクルートカードを使ったその日から90日以内の海外旅行期間中のみ保険が適用されます。
ただし、リクルートカードを複数枚持っている場合には、1枚ごとに使うタイミングを分けることで、補償期間を伸ばすことは可能です。
リクルートカードの利用付帯は意外と広範囲
リクルートカードは、当該カードを利用しなければ海外旅行保険が付帯されない「利用付帯」であると紹介しました。搭乗する公共交通乗用具の支払いをする必要があることも、紹介しましたね。
実は、リクルートカードは、他の利用付帯のカードに比べても、「利用」の条件が広範囲まで認められているため、非常に便利なんです。どういうことか、説明していきましょう。
まず、基本的には以下の条件に当てはまっている場合に、利用付帯のカードを持っている人が保険の適用対象となります。
- 自宅から空港に行くまでに利用する公共交通機関(バス、タクシー、電車、飛行機など)の支払い
- 現地へ行く際に利用する飛行機の料金の支払い
- 海外のツアー(募集型企画旅行)の参加費の支払い
ただ、リクルートカードの場合には、交通系ICカードでの支払いや「Uber」を使用した場合も「公共交通乗用具の支払い」として認められるのです。
交通系ICカードの場合
SuicaやPASUMOなどの交通系ICカードを利用して公共交通機関を利用した場合、保険の適用対象となります。ただ、以下の条件を満たす必要がありますので、しっかりと確認しておきましょう。
- 交通系ICカードへのチャージの際に、リクルートカードを利用する。
- リクルートカードを利用してチャージした交通系ICカードを使って、公共交通機関を利用する。
交通系ICカードを利用して公共交通機関を利用した場合には、「チャージをしたことがわかる証明書」と「交通系ICカードを利用したことがわかる証明書」が必要となるので、覚えておきましょう。
Uber(ウーバー)の場合
アメリカ発の配車サービス「Uber」を利用した場合でも、リクルートカードの保険の適用対象となります。
Uberは今や世界70ヶ国以上でサービスを展開しており、アメリカやカナダ、イギリス、フランスなどの主要国をはじめ、バングラデシュやボリビア、ウガンダにもサービス展開されています。
利用できる国の中でも、利用できる都市が限られているので、事前に公式サイトより確認してください。
また、東南アジアでもUberは使えたのですが、現在は「Grab(グラブ)」に事業売却されています。この「Grab」を利用した場合でもリクルートカードの海外旅行保険の適用対象となるんですよ。
現地のタクシーに乗った方が移動費を安く抑えられるかもしれませんが、世界的にサービスが展開されていてるUberを利用する方が、安心できるかもしれませんね。
家族会員も同様の海外旅行保険が受けられる
リクルートカードの場合、家族カードを無料で発行することができます。家族会員であっても、本会員と同様の海外旅行保険を受けることができるんですよ。
カードにもよりますが、基本的にはクレジットカードを持っている本人しか、保険の対象とはなりません。ただ、家族カードを持っていれば、家族カードを持っている人も、保険の適用対象となるんです。
18歳未満の子供は保険の対象外
なお、家族であっても18歳未満の場合には家族カードを作ることができません。ということは、必然的にリクルートカードの保険の適用が受けられないということになります。
18歳未満の子供を、クレジットカードに付帯されている海外旅行保険の適用対象とするためには、クレジットカードを「家族特約」付きのカードにするしかありません。
海外の医療費は思っている以上に高い?!
ここまでしっかりと読んできてくれたあなたなら、リクルートカードは「利用付帯」で最高2000万円まで保険金が下りるということがよくわかっているでしょう。
ただ、最高2000万円まで補償されるとは言え、安心はできません。というのも、海外の医療費は日本の医療費とは比べ物にならないくらいに高額だからです。
ここで、株式会社アイエヌシーという会社のページに掲載されていた、1枚の画像をご覧いただきましょう。
こちらは日本興亜損保の調査を元に、株式会社アイエヌシーが作成した画像とのこと。
よく見てみると、中国での治療・救援費用で約720万円、アメリカ・ロサンゼルスでの治療・救援費用で約132万円もかかっていることがわかりますね。
日本は保険の制度も充実しているため、負担額は3割程度になることも多いのですが、海外の医療費はとんでもない高額になります。
海外で何か起こってしまうと、医療費に限らずとんでもない金額が必要になってきますので、保険の付帯されているクレジットカードは絶対に持っていくようにしましょう。
リクルートカードの海外旅行保険は「上乗せ」がおすすめ
上述したように、海外の医療費等は非常に高額になるため、海外旅行保険の付帯されたクレジットカードを持っていくのがおすすめです。ただし、リクルートカードだけでは安心できません。
というのもリクルートカードは、傷害・疾病治療の保険金額いずれも100万円までとなっているからです。
上述した内容や画像を見てもわかる通り、リクルートカードを1枚持っているだけでは、必ずしも安心とは言えません。
そんな時におすすめなのが「海外旅行保険の上乗せ」です。実はクレジットカードに付帯されている海外旅行保険は”上乗せ”をすることができます。どういうことなのか、まずは以下の表をご覧ください。
項目 | リクルートカード | ハマカード | 合算額 |
---|---|---|---|
傷害による死亡・後遺傷害 | 2000万円 | 2000万円 | 2000万円 |
傷害による治療費用 | 100万円 | 200万円 | 300万円 |
疾病による治療費用 | 100万円 | 200万円 | 300万円 |
賠償責任 | 2000万円 | 2000万円 | 4000万円 |
携行品損害 | 20万円 | 20万円 | 40万円 |
救援者費用 | 100万円 | 200万円 | 300万円 |
例えばリクルートカードとハマカードの海外旅行保険を”上乗せ”すると、上記表の通り保険金額が合算されます。
リクルートカードだけの場合、傷害治療の費用は最高で100万円までだったものの、ハマカードの分を上乗せすることで、傷害治療の費用は最高で300万円まで補償されることになります。
ですので、リクルートカードだけを持っていくのではなく、”上乗せ用”としてハマカードなど海外旅行保険が付帯されている別のカードを持っておくのがおすすめです。
ただし、傷害による死亡・後遺傷害は合算されません。ハマカードを発行している株式会社ジャックスのホームページには、以下の記載があります。
複数のクレジットカード(他社カードを含む)付帯の傷害保険にご加入の場合、死亡・後遺傷害の保険金額は合算されず、最も高い保険金額が限度となり、各カード(他社カードを含む)に付帯する保険金額に応じて按分して保険金をお支払いします。
出典:https://www.jaccs.co.jp/service/cardservice/travelservice/kaigai/travelinsurance/
全てのカードに言えることなのですが、複数枚のクレジットカードを持っていても、傷害死亡と後遺傷害については保険金が上乗せされません。
リクルートカードは2枚持ちで海外旅行保険がさらに上乗せ!
ここまで、「家族カード」と「上乗せ」の話を紹介してきました。
実は、とある方法を知っているとリクルートカードを2枚発行することができます(家族カードではありません。)そして、2枚のクレジットカードを持っているので、”上乗せ”も可能なのです。
リクルートカードは「JCB」「VISA」「マスター」の3つの国際ブランドがあります。
JCBカードと、VISA・マスターカードは発行している会社が違うため、JCBカードと、VISAまたはマスターの発行をすることで、2枚のリクルートカードを持つことができるんです。
- リクルートカードJCB:JCBカードが発行
- リクルートカードVISA / マスター:MUFGカードが発行
上述した通り発行している会社が違うため、JCBカードを1枚申請し、VISAかマスターのどちらかで申請し、審査に通過すれば2枚のリクルートカードを保持することができます。
前章でも紹介した通り、クレジットカードに付帯されてる海外旅行保険は”上乗せ”が可能なので、リクルートカードを2枚持つことができると、保険金額の上乗せが可能となりますよ。
リクルートカードの海外旅行保険なら無料診療も可能!
リクルートカードを持っている人であれば、現地で無料診療=キャッシュレス・メディカルサービスを受けることが可能です。
要は、無料で診察などを受けられるというサービスです。保険会社があなたに代わって医療施設にお金を払ってくれるため、実質的に無料で診療が受けられるというもの。
ただし、リクルートカードを持っていればいいという訳ではありません。事前に「無料診察が受けられる病院」を紹介してもらったり、本人確認などがあるため、事前の連絡が必要です。
また、場合によっては本人確認等で時間がかかる場合もあるので、注意しましょう。
保険会社とクレジットカード会社との連絡に時間がかかったり、本人確認に時間がかかる場合もあるため、すぐに無料診療を受けられる訳ではありません。覚えておきましょう。
まとめ
リクルートカードは「利用付帯」の海外旅行保険が付帯されているクレジットカードです。
「利用付帯」ですので、公共交通乗用具の支払い時やツアーの参加料金の支払い時にリクルートカードを利用することが必要となりますが、ポイントの還元率も1.2%ですので、非常に便利でしょう。
ただし、海外の医療費は高額になるので、リクルートカードだけでは安心とは言えません。そこで個人的におすすめしたいのは、「自動付帯」で最高2000万円まで補償してくれるハマカードを上乗せすること。
ハマカードは持っておくだけの意味合いが強い「サブカード」としておすすめなので、リクルートカードはハマカードと一緒に持っておくことをおすすめしますよ。