尾瀬に行ったことはありますか。尾瀬にはここでしか見ることのできない動植物が多く存在しています。
また、尾瀬では季節ごとの自然を楽しみながらハイキングや登山をすることができます。
この記事では尾瀬についてまとめたので、尾瀬に行ってみたい方や尾瀬について知りたい方はぜひ読んでみてください。
出典:https://www.yamakei-online.com/yk/oze/
尾瀬の概要・歴史
尾瀬は群馬、新潟、栃木、福島県の4県にまたがっている盆地状の高原です。
高原であるため温暖植物が侵入することがなく、氷河時代の植物が現在も生き残り続けています。そのため、ここでしか見ることのできない植物がたくさん存在しています。
1989年には日本の秘境100選に指定されました。また、2007年には日光国立公園の一部であった尾瀬は分離され、尾瀬国立公園と命名されました。
群馬に位置する尾瀬ヶ原
「尾瀬といえば尾瀬ヶ原」と言われているほど、尾瀬ヶ原は尾瀬の中でも中心的な場所です。尾瀬ヶ原の標高は1410mであり、群馬県利根郡片品村が公園住所となっています。
10万年~1万年前の氷河期に燧ケ岳(ひうちがたけ)の噴出による堰止湖(せきとめこ)が埋まり湿原化してできたのが尾瀬ヶ原です。一年間で1mm弱ずつ泥炭が堆積し、時間をかけて今のような姿になりました。
2005年の11月にはラムサール条約登録湿地となりました。近年、二ホンジカによる食害のせいで、湿地があらされていることが問題となっています。
尾瀬ヶ原の西側には尾瀬山の鼻ビジターセンターがあります。尾瀬ヶ原の自然についての情報提供を行っているのでぜひ立ち寄ってみてください。
群馬と福島にまたがる尾瀬沼
尾瀬沼は群馬県利根郡片品村と福島県海津郡檜枝岐村にまたがって位置する沼のことです。
尾瀬沼は燧ケ岳の火山活動による溶岩によって、盆地の東半分がせき止められてできた堰止湖(せきとめこ)です。
標高は1660mであり、面積は1.81㎢と日本で最も大きい沼となっています。
尾瀬沼の東岸には尾瀬沼ビジターセンターがあります。尾瀬沼の自然についての情報提供を行っているのでぜひ立ち寄ってみてください。
群馬の観光地である至仏山
至仏山は群馬県のみなかみ町と利根郡片品村にまたがっています。この山の標高は2228mで、岩石が隆起したことによってできた山です。
尾瀬国立公園に属しており、日本百名山の1つに数えられています。
至仏山は蛇紋岩(じゃもんがん)と呼ばれる黒色の重たい岩でできています。この蛇紋岩は超塩基性であるため、蛇紋岩地特有の希少な植物が生育しているのです。
この山では急坂の上に滑りやすく道も荒れていることから事故が多数発生しています。上る際は十分気を付けるようにしましょう。
福島の観光地である燧ケ岳(ひうちがたけ)
燧ケ岳は1万年前に噴火によりできた山で、山頂は福島県南海津郡檜枝岐村に位置します。
日本百名山の1つに登録されているこの山は標高2356mであり東北地方で最も高い山です。
この山の頂きから尾瀬全体を見下ろすことができます。そこから見下す尾瀬はとてもきれいな景色なのでぜひ1度行ってみることをお勧めします。
大きな岩がごろごろしているので入山した際は足元に注意してください。また、岩をつかむ際にけがをしないよう手袋をつけましょう。
群馬側・新潟側・福島側の入山口
尾瀬はおよそ東西に12㎞、南北に9㎞もの広さであり、その一帯を歩くハイキングの歩行路総延長は100kmを超えるほどです。そのため、広大な尾瀬のどこが目的なのかによって、入山口・アクセスが違ってきます。
比較的アクセスが良く、利用しやすい入山口は群馬県、新潟県、福島県に1つずつあります。
群馬県にある入山口は沼田口、新潟県にある入山口は越後口、福島県にある入山口は会津口です。
栃木県にも入山口は一応ありますが、交通の利便性から考えて利用するのはおすすめしません。
公共交通機関を利用した群馬・福島の入山口へのアクセス
公共交通機関を使う場合の群馬県にある入山口への行き方を紹介します。
東京方面からは沼田口、東北方面からは海津口へアクセスするのが最も便利です。
沼田口
新幹線を利用する場合は新幹線で高崎駅まで行き、上越線に乗り換えて沼田駅で下車するのがおすすめです。バスの運行時間は曜日によって異なるので事前に調べておきましょう。
会津口
野石鉄道の会津高原尾瀬口駅で下車し、海津バスに乗ると会津口に到着します。バスの本数は少ないので事前に確認してください。
自家用車を利用した群馬・福島の入山口へのアクセス
自家用車で尾瀬に行く場合も沼田口、会津口、越後口のいずれかから入山するのが一般的です。
尾瀬では環境保護のためマイカー規制を行っています。マイカー規制は毎年行われる日程や時間、車種が異なるので注意しましょう。尾瀬保護財団などに問い合わせることで詳細を知ることができます。
群馬県
群馬県での規制区間は津奈木から鳩間峠間のおよそ3㎞となります。
福島県
福島県での規制区間は御池から沼山峠間のおよそ10㎞となります。
尾瀬観光の見どころ
尾瀬は季節によって大きく姿を変えるので、それぞれの季節で異なった楽しみを味わうことができます。春、夏、秋のそれぞれの尾瀬の見どころを見ていきましょう。
春(5月、6月)
標高の高い尾瀬は気温が低いため、雪解けがはじまるのが5月ごろとなります。そのため、5月下旬の山開きしてすぐはまだ雪が残っています。
尾瀬の豊かな自然と残雪が混じりあう様子はとても幻想的な景色です。
夏(7月、8月)
夏になると至仏山や燧ケ岳の高山植物も一気に姿を現し始めます。
この時期は最も多くの植物を見ることができるのでおすすめです。暑さをしのぐ避暑地として利用することも可能です。
秋(9月、10月)
秋になると紅葉がはじまり、緑色だった尾瀬が赤色に染まっていきます。
尾瀬を観光する際のルール
尾瀬での観光を楽しむために守るべきルールを記載していきます。
木道でのルール
木道は基本的に右側通行です。お互いに譲り合って通行するようにしましょう。
木道から降りることは歴史ある湿原を壊すことにあたるので絶対にやめてください。
トイレのルール
尾瀬の公衆トイレ、山小屋にあるトイレは基本水洗タイプとなっています。
尾瀬の環境を守るために排泄物は原則、尾瀬には破棄せずヘリコプターで外部に運び出しています。
維持管理費が高いため利用する際には100円、場所によっては200円かかりますがきちんと払いましょう。
ごみに関するルール
環境を守るために尾瀬にはゴミ箱は(山小屋にも)設置されていません。
持ち込んだごみは尾瀬には捨てずに必ず持ち帰るようにしましょう。
石鹸・シャンプー
山小屋にはシャワーがあることが多いですが、尾瀬の自然を壊さないために石鹸・シャンプーなどは使用しないでください。
植物の持ち込み・持ち帰り
尾瀬の外部から植物を持ち込んだり、尾瀬にある植物を持ち帰る事は禁止されています。
靴の裏に植物の種子がはさまっている可能性があるので、入山口にある種子落としマットを使用するようにしましょう。
尾瀬の観光に必要な持ち物・服装
尾瀬を観光する際に必要になる持ち物や、観光時におすすめな服装も紹介します。
靴
長距離を歩くことになるので履きなれた靴で来るようにしましょう。
雨が降ると木道が濡れて滑りやすくなるので、靴底がすり減っていないものを履いたほうがが良いです。
防寒具
高地にある尾瀬は気温が低いので、できるだけ長袖長ズボンを着手いたほうが良いです。
また、日中に比べて朝と夜はがくっと気温が下がります。寒くなった時のために上着を用意しておきましょう。
雨具
尾瀬は天気が急に崩れることが多いです。いつ雨が降ってもいいように防寒具は持っていくようにしましょう。
地図
自分がどこにいるのか、これからどこに行くのかを把握するために持っておいたほうが便利です。
常備薬
急に体調を崩した時のために胃薬や頭痛薬を常備しておきましょう。怪我をした時のために絆創膏や包帯も持っておきたいですね。
カメラ
尾瀬の絶景を記録に残しておくために持って行くことを推奨します。スマホのカメラでもいいかもしれませんね。
観光の際に立ち寄る山小屋
尾瀬で宿泊をしたい場合は山小屋に泊まることが可能です。山小屋の仕組みについて記載していきます。
予約
山小屋は予約制となっています。日程が決まったら早めに予約をしておきましょう。電話での予約かホームページからの予約となります。
風呂
ほとんどの山小屋にはお風呂があります。ただし、セッケンやシャンプーは使用不可です。
食事
夕食は17時~18時で朝食は6時くらいにでる山小屋が多いです。自然豊かな尾瀬の山小屋での節感満載の食事をお楽しみください。
喫茶
多くの山小屋に喫茶があり、休憩することができます。歩き疲れたらぜひ立ち寄ってみてください。
尾瀬の生態
冒頭でも尾瀬は動植物が多いと記しましたが、どのような植物・動物が生息しているのか紹介します。
植物
尾瀬には全部合わせて900種類以上もの植物が生息しています。
春に見られる植物としては水芭蕉(ミズバショウ)やリュウキンカなどが有名です。
夏にはニッコウキスゲやジグサ、オゼコウホネなどを見ることができます。 秋はサワギキョウやエゾリンドウなどがみどころです。
ビジターセンターでそれぞれの時期に見ることのできる植物を確認することができるので、ぜひ立ち寄ってみてください。
動物
尾瀬にいる動物で有名なのはオコジョやヤマネ、ツキノワグマなどです。
もしもツキノワグマに遭遇したら大声をだしたり走って逃げだしたりせず、静かに後ずさるようにしてください。
まとめ
尾瀬には春の尾瀬ヶ原に1度行ったことがあります。そのほかの場所や季節に行ったことはないのですが、もう一度行ってみようと思いました。
尾瀬はとても広く、季節によって姿を変えるので何度言っても楽しむことができます。
また、混雑する時期を避ければ比較的人は少ないので楽しみやすいと思います。
この記事を読んで尾瀬の中で興味を持った場所や季節があれば、ぜひ1度遊びに行ってみてください。