近年、めっきりと数が少なくなった寝台列車ですが、今もなお第一線で活躍しているのが「サンライズ瀬戸出雲」です。
満席になることも度々あり、電車ファンだけではなく、貴重な足として多くの方が利用しています。新幹線で早く移動するのも良いですが、JR唯一の寝台列車でのんびりと移動してみてはいかがでしょうか?
この記事では、サンライズ瀬戸出雲の特徴や寝台・料金・運行時刻などの詳細について紹介していきます。サンライズ瀬戸出雲の利用を検討している方は、是非参考にして下さい。
(トップ画像出典:https://pixabay.com/ja/photos/jr東日本-jr西日本-jr東海-1336211/)
サンライズ瀬戸出雲ってどんな列車?
「サンライズ瀬戸出雲」とは、四国・山陰地方と東京を結ぶ「寝台列車」であり、JRが定期運行している唯一の寝台列車です。
岡山で分割または連結を行い、岡山ー高松間は「サンライズ瀬戸」・岡山ー出雲間は「サンライズ出雲」、東京ー岡山間は「サンライズ瀬戸」「サンライズ出雲」が連結して走行します。
連結時は14両編成で走行し、下り(東京発)の時は1〜7号車が「サンライズ瀬戸」・8〜14号車が「サンライズ出雲」の車両となります。(上りの時は反対)
寝台(客室)はいくつかのタイプが用意されており、用途に合わせて使い分けることが可能です。寝台(客室)のタイプについては次の章で紹介します。
【サンライズ瀬戸出雲】寝台(客室)のタイプ
寝台列車となると、どのような寝台(客室)が用意されているか気になりますよね。
サンライズ瀬戸出雲の寝台(客室)は、グレードが高い「A寝台」・バリエーション豊富な「B寝台」が用意されています。
シングルデラックス:1人用の個室。シングルベッド・デスク・洗面台が備わった最高クラスの寝台。洗面用具などのアメニテグッズ・シャワーカード(シャワー利用時に必要なカード)も付属。
- サンライズツイン:2人用の個室。ベッドが2台設置されており、室内が広いのが特徴。
- シングルツイン:定員は2名(1名でも利用可能)。室内に2段ベッドがあり、下のベッドはソファーとしても使用可能。
- シングル:1人用の個室の中で最も部屋数が多い。室内はベッド・簡易テーブルが設置されている。
- ソロ:1人用の個室。シングルよりも狭く、天井も低いが個室の中で1番料金が安い。
【サンライズ瀬戸出雲】フラットタイプの「ノビノビ座席」
先程紹介した個室以外にも、サンライズ瀬戸出雲には「ノビノビ座席」という座席が用意されています。
ノビノビ座席:上下段の2段構造となっているフラットタイプの座席。床は座敷(カーペット)のようになっており、隣席との区画は素通し。(横になった時、頭の部分だけ隠れるよう壁が設置されている。)
個室のように完全なプライベート空間ではありませんが、一部に壁が設置されていることもあり、あまり隣を気にすることなく過ごすことができます。
【サンライズ瀬戸出雲】寝台料金
サンライズ瀬戸出雲に乗車するには、「乗車料金」+「特急料金」+「寝台料金」が必要です。
「乗車料金」と「特急料金」は乗車する区間によって異なり、「寝台料金」は利用する寝台によって以下のように設定されています。
- シングルデラックス:13,980円
- サンライズツイン:7,700円
- シングルツイン:9,600円(補助ベッドを使用する場合、5,500円追加)
- シングル:7,700円
- ソロ:6,600円
- ノビノビ座席:無料(乗車券・特急券の料金のみ)
※2人用の個室を利用する場合、2名または1名でも大人2人分の特急・寝台料金が必要です。また、大人・子供も同額の料金となります。
【サンライズ瀬戸出雲】シャワールーム・ラウンジ
サンライズ瀬戸出雲には、寝台以外にも「シャワールーム」と「ラウンジ」が設置されています。ラウンジは無料で利用することができ、外の景色を眺めながら食事や談話を楽しむことができます。
シャワールームは有料となっており、車内にある券売機から「シャワーカード(320円)」を購入しなければ利用できません。(A寝台(シングルデラックス)は、予めシャワーカードを貰えます。)
- 1回の使用時間は「6分間」(スタート・ストップのボタンがあり、ストップ時はカウントが停止)
- 「ボディソープ」「リンスインシャンプー」「ドライヤー」完備
- タオルは無し(A寝台(シングルデラックス)はタオル有り)
※シャワールームは利用者が多いので、混雑したり、シャワーカードが売り切れになったりすることもあります。
【サンライズ瀬戸出雲】切符の購入場所
サンライズ瀬戸出雲の切符は、利用日の1ヶ月前の午前10時から発売され、以下の場所から購入することができます。(切符の発売日は始発駅の出発日が基準となります。)
- 駅の窓口(みどりの窓口など)
- JR券を取り扱う旅行センター
また、JRの予約サイト(えきねっと・JRおでかけネット)では、「ノビノビ座席」のみ事前予約することが可能です。
サンライズ瀬戸出雲は人気の列車なので、売り切れになることも度々あります。特に数の少ない「シングルデラックス」や「サンライズツイン」は早めの購入がおすすめです。
【サンライズ瀬戸出雲】切符購入時の注意点
途中駅からサンライズ瀬戸出雲に乗車する方は、切符の「日付」に注意が必要です。
乗車する駅によっては始発駅と日付が異なる場合があり、購入する切符の日付を間違えると利用することができなくなります。
例えば、静岡駅から「2月10日(下り00:20発)」のサンライズ瀬戸出雲に乗車する場合、この電車は東京駅を「2月9日(下り22:00発)」に出発しています。
2月9日の切符を購入しても乗車日は2月10日となるので、この場合は「2月10日」の切符が必要です。
【サンライズ瀬戸出雲】運行時刻
サンライズ瀬戸出雲は、東京ー高松・出雲間を毎日運行しています。上り・下りにおける発着時間は以下の通りです。
- 【上り】「高松:21:26発」「出雲:18:51発」→「東京:07:08着」
- 【下り】「東京:22:00発」→「高松:07:27着」「出雲:09:58着」
尚、上りは「三ノ宮駅」・下りは「静岡駅」から日付が変わるので、切符を購入する際は日付に注意しましょう。
時刻表の詳細は、下記のリンクから確認することが可能です。(上り方面の時刻表が掲載されていなかったので、「JRおでかけネット」にて運行情報を確認してみて下さい。)
【サンライズ瀬戸出雲】乗車前に知っておきたいこと
最後に、サンライズ瀬戸出雲を利用する上での心得を紹介します。以下のことを知っておけば、事前に対策できたり、より快適に過ごせたりするので是非参考にしてみて下さい。
- 食べ物・飲み物は事前に用意しておく(車内販売はなく、自動販売機の設置のみ)
- 寝台列車に慣れていない方は揺れが気になる
- Wi-Fiの設備はない
- 「ノビノビ座席」にはコンセントがない
移動時に飲食をする方は、事前に用意しておくことが必要です。車内には冷蔵庫が設置されていないので、常温保存できる物がおすすめです。
サンライズ瀬戸出雲のまとめ
今回は、JR唯一の寝台列車であるサンライズ瀬戸出雲について紹介しました。近年は寝台列車の姿が見られなくなり、現代の日本において貴重な存在・移動手段となっています。
今後の運営方針は定かではありませんが、気になる方は今の内に乗車しておくと良いでしょう。
非常に人気のある寝台列車なので、できるだけ早めに予約することがおすすめです。
特に「シングルデラックス」や「サンライズツイン」はすぐに満席となるので、興味のある方は発売日当日の予約を検討しましょう。