「台湾旅行で台北から九份に行く計画をしているけど、どんな行き方があるのかな?」、「初めての台湾旅行だからできるだけ移動で苦労したくない」
ジブリ映画「千と千尋の神隠し」の舞台となったとも言われている「九份」。台湾旅行に行くなら絶対外せない観光スポットですよね。
ただし、その「九份」、実は台北からの行き方が少しだけ複雑で、初めて九份に行く観光客が途中でトラブルにあってしまうケースが多いんです。
本記事では、台湾在住経験のある筆者が初めて九份に行く方でもトラブルに合わないよう、「台北から九份への3つの移動手段」について詳しく解説していきます。
(トップ画像出典:https://unsplash.com/photos/UDv1n0xIpU8)
九份ってどんなところ?
九份は台北から見て台湾東北部、新北市瑞芳区にある山あいの町です。そして九份一帯で、観光地として有名になっているのが、「九份老街(ジウフェンラオジエ)」です。
九份一帯はかつて、金鉱の街として栄えていて、現在では山間部に沿って作られた階段や、細い狭い路地など、歴史を感じさせる家屋や建築物が多く残存しているんです。
そして、夜は提灯が灯るので昼とは全く違う顔を見せます。雨の日は街全体が霧に包まれるため、幻想的な景色を見ることができますよ。
また、「九份老街」では、食べ歩きや写真撮影、九份老街でしか買うことのできない土産購入などが楽しめます。
台北から九份への行き方は全部で3つ
では早速、台湾の人気観光スポット「九份」に台北から行く方法をご紹介していきたいと思います。
台北から九份に行くには、主に3つの交通手段があります。それは、「直通バス」、「電車(台湾鉄道)」、そして「タクシー」を使う方法です。
今回はあくまで家族・個人旅行で行く場合の紹介をさせていただきますので、ツアーなどは省いています。
- 直通バスを利用する方法
- 電車(台湾鉄道)を使う方法
- タクシーを利用する方法
当然のことながら、かかる料金、所要時間はそれぞれ違うので、本記事を参考にしながら旅行計画に合わせて交通手段を選んでみてください。
九份への行き方① 「直通バス」
2020年5月1日現在、台北市内から九份の最寄りバス停である「九份老街」に行ける直通バスは、全部で2路線あります。
- 台北客運バス965系統
- 基隆客運バス1062系統
この2つのバスは、特別な予約制度などがなく、日本の公共交通バスと同じように並んで乗ります。
ただし、九份に行く場合は高速道路を通るので立ち乗りができません。そのため直通バスで行く際は、早めにバス停に並んでおき、座席を確保しなければいけません。
台北客運バス965系統
台北客運バス965系統は、2018年9月10日に新たに運行を開始した高速バスの路線です。
この路線ができたことで、西門町や台北駅など、観光ホテルの多い地域から「九份老街」へのアクセスが非常に便利になりました。
以下に、台北客運バス965系統路線の主なバス停と所要時間、「九份老街」までの乗車料金、および運行時間と間隔をまとめます。
台北客運バス965系統の主なバス停と所要時間
台北客運バス965系統の主なバス停と「九份老街」までの所要時間は以下の通りです。
- MRT西門駅 2番出口(所要時間:1時間10分ほど)
- MRT北門駅 2番出口(所要時間:1時間ほど)
「MRT」というのは、台湾の「地下鉄」のことです。他には「捷運(ジエユン)」と言ったりもします。
台湾客運バス965系統の乗車料金
乗車料金は、大人料金の「全票」と子供料金の「半票」の2種類があります。台湾では、日本と違い、身長を基準に年齢を判断、料金の差別化をしています。
台北客運バス965系統の乗車料金は、それぞれ以下の通りです。
- 全票90元(日本円でおよそ340円)
- 半票48元(日本円でおよそ185円)
「半票」の対象は、「身長が115cm以上150cm未満の人、もしくは6歳以上12歳未満の人」です。
台湾客運バス965系統の運行時間・間隔
台湾客運965系統のバス運行時間は、平日が6:00〜21:00、休日および祝日は7:00〜21:00です。
さらに運行間隔は、平日は、通常時は40分〜1時間に1本、ピーク時は30~40分に1本程になっています。
休日・祝日の場合は、通常時は15~30分に1本、ピーク時は10~15分に1本程です。
上述した運行時間・間隔を簡単にまとめると、以下の表のようになります。
平日 | 休日・祝日 | |
運行時間 | 6:00~21:00 | 7:00~21:00 |
運行間隔(通常時) | 40分〜1時間に1本 | 15分〜30分に1本 |
運行間隔(ピーク時) | 30分〜40分に1本 | 10分〜15分に1本 |
また以下に、台北客運バス965系統路線の時刻表も載せておきますので、旅行の計画をする際に参考にしてください。
台湾客運バス965系統の時刻表を見るときに注意すべきこと
台北客運バス965系統の時刻表を見る際に注意していただきたいことが、1つあります。
実は、台北客運バス965系統路線の時刻表には、始発停留所と終着停留所の発車時刻しか書いていないため、自分が乗る予定の停留所にバスが到着する時間を自分で確認する必要があります。
台北客運バス965系統路線の始発駅であるMRT府中駅停留所から、西門駅停留所へは20分、北門駅停留所へは25分かかります。
例えば、時刻表に”0730”と書いてある場合。これは始発駅であるMRT府中駅の発車時刻を指します。そのため実際に西門駅停留所には”0750”にバスが到着することになります。
このチェックを怠ってしまうと、「せっかく立てた予定が大幅に狂ってしまった」なんてことも起こり得るので、必ず確認をしてください。
基隆客運バス1062系統
基隆客運バス1062系統は2018年に台北客運バス965系統路線できる以前から存在していた路線です。
以下に、基隆客運バス1062系統の主なバス停、「九份老街」までの運賃、および運行本数や所要時間などをまとめます。
基隆客運バス1062系統の主なバス停と所要時間
台北客運バス965系統路線の主なバス停と「九份老街」までの所要時間は以下の通りです。
- MRT忠孝復興駅 2番出口180番バス停(所要時間:1時間15分ほど)
- MRT松山駅(所要時間:1時間5分ほど)
ただし、ほとんどの場合「MRT忠孝復興駅」からの乗客で満席になるため、上記している「MRT松山駅」からは乗車することができない場合が多いです。
ですので、確実に乗車したい場合は、「MRT忠孝復興駅」から乗車するようにしましょう。
基隆客運バス1062系統の乗車料金
基隆客運バス1062系統の乗車料金も「全票」と「半票」の2種類があります。
基隆客運バス1062系統の乗車料金は、それぞれ以下の通りです。
- 全票101元(日本円でおよそ400円)
- 半票50元(日本円でおよそ200円)
基隆客運バス1062系統の運行時間・間隔
基隆客運バス1062系統のバス運行時間は、平日が6:30〜23:00、休日および祝日は7:10〜23:00です。
さらに運行間隔は、平日休日ともに、通常時は15分〜20分、ピーク時は10〜15分に1本程になっています。
上述した運行時間・間隔を、簡単に表にまとめると以下のようになります。
平日 | 休日・祝日 | |
運行時間 | 6:30~23:00 | 7:10~23:00 |
運行間隔(通常時) | 15〜20分に1本 | 15〜20分に1本 |
運行間隔(ピーク時) | 10分〜15分に1本 | 10分〜15分に1本 |
また、以下に基隆客運バス1062系統の時刻表を載せておきますので、1062系統を利用する際に参考にしてみてください。
基隆客運バス1062系統の時刻表を見るときに注意すべきこと
基隆客運バス1062系統の時刻表を見る際に注意していただきたいことが、1つあります。
それは、基隆客運バス1062系統は、台北客運バス956系統と比べて本数が多いのが特徴ですが、全てのバスが「九份老街」に行くわけではないということです。
上記の時刻表の中で、時刻の左に「瑞」もしくは「暖」と書かれているものは「九份老街」まで行かない車両を指しているので注意してください。
バスを使うときは「リアルタイム情報」を見よう
台湾のバスも日本と同じように、交通状況などによって頻繁にダイヤが乱れます。ですので、バスを利用する場合はリアルタイム情報を見てバスがどこにいるかを確認しましょう。
バスの場合はリアルタイム情報を見よう。(965系統の場合)
台北客運965系統の場合は、「大台北公車」というウェブサイトからリアルタイム情報の確認をすることができます。
- 【往 金瓜石】という部分をタップ(緑色になっていればOK!)
- 停留所名の上に後何分でバスが到着するか表示されます。
バスの場合はリアルタイム情報を見よう。(1062系統の場合)
基隆客運バス1062系統の場合は、「公路乘車資訊查詢系統行動版」というウェブサイトからリアルタイム情報の確認ができます。
- 電卓のような画面に「1062」と打つ
- 「1062 【去程】台北市→中山高速公路→新北市瑞芳區→金瓜石」をタップ
- 「往程」と書いてある方をタップ
- 停留所名の横に後何分で到着するかが表示される
また、停留所名の横に数字以外表示されている場合は、それぞれ以下のことを意味します。
- 未發車・・・まだ次のバスが発車していない状態
- 進站中・・・現在バスが到着している状態
- 即將進站・・・間も無くバスが到着する状態
リアルタイムの確認ができれば、時刻表を見間違えていてもすぐに気づくことができるので、直通バスを使う際には是非活用してください。
九份への行き方② 「電車」
続いて、台北市内から「九份老街」に電車を利用して行く方法をご紹介します。
台北市内から「九份老街」に電車で行くには、まず台北駅から「台湾鉄道」という鉄道を使って、「九份老街」最寄りの「瑞芳駅」まで行きます。
「瑞芳駅」に着いた後は、タクシーを利用して「九份老街入口」というところまで移動します。
初めて台湾に行く観光客の方がよく誤解しがちなのですが、「九份駅」という駅は存在しないので注意してください。
では、台北市内から「九份老街」に電車を使っていく方法と料金を、順番に説明していきます。
台北駅~瑞芳駅まで
1.最寄りの駅から台北駅へ向かう
まずは、台湾鉄道を利用するために、最寄りの駅から台北駅に移動しましょう。
2.台湾鉄道の改札へ移動する
台北駅構内の案内板には、台湾鉄道が「台鐵(TRA)」と表示してあるので、案内の矢印に従って、台湾鉄道の改札まで移動します。
改札横に券売機があるので、「瑞芳」のボタンを押して切符を買いましょう。
3.瑞芳駅行きの列車に乗る
「瑞芳駅」は、東部幹線の北上方面なので、台湾鉄道の改札に着き、切符を買ったら4番ホームに移動しましょう。
列車には自由席の列車と指定席の列車が存在しますが、指定席の列車は本数が少ないため、今回は自由席の列車をご紹介します。
自由席列車に乗る際に注意していただきたいのが、乗る列車の車種です。ホーム内の掲示板でも確認できるのですが台湾鉄道には以下の4種類の自由席列車があります。
- 自強号 (「台北〜瑞芳」間の所要時間:約40分)
- 莒光号 (「台北〜瑞芳」間の所要時間:約45分)
- 區間車 (「台北〜瑞芳」間の所要時間:約45分)
- 區間快速 (「台北〜瑞芳」間の所要時間:約35分)
また、台北駅から乗車する台湾鉄道の自由席列車の車種別にかかる代金は以下の表の通りです。
- 自強号➡︎76元(日本円で290円程)
- 莒光号➡︎59元(日本円で220円程)
- 區間車➡︎49元(日本円で180円程)
- 區間快速➡︎49元(日本円で180円程)
中でも、上記2つの「自強号」と「莒光号」は、列車の発車時間帯によって目的地である「瑞芳駅」を通過してしまう場合があります。
ですので、初めて九份に行かれる方は、必ず瑞芳駅に止まる區間車か區間快速に乗ることをオススメします。
また、列車の発車時刻は日によって変わるので、ご自身で確認をしてください。以下に台湾鉄道のホームページと、時刻検索の仕方を載せておきます。
- 「時刻表と駅」から「列車時刻/列車番号照会」を選んで検索
- 出発駅に「台北市」から「台北駅」を選択
- 到着駅に「新北市」から「瑞芳駅」を選択
- 当日の日付と調べたい時間帯を入力
- 「区間」もしくは「区間快」と表記されている列車を選ぶ。
「瑞芳駅」~「九份老街入口」まで
「瑞芳駅」西口を出ると、目の前の広場左手に、九份行きのタクシー乗り場があります。
基本的に九份に行く観光客向けにタクシーが用意されているので、「九份(ジウフェン)」と運転手さんに言えば乗せてくれます。
また、料金も一律で1台205元と決まっているので、ぼったくられる心配もないです。
「瑞芳駅」西口からタクシーに乗って、およそ10分〜15分ほどで目的地の「九份老街」に到着します。
九份の行き方「電車で行くなら寄り道をしよう」
また、台湾鉄道を利用するのであれば、「九份老街」だけでなく一緒に「十分」や「 猴硐猫村」などの周辺の観光地も一緒に回ってみることをオススメします。
以下の二つの観光地は、台北駅から瑞芳駅の間にあるので、途中下車して寄ることができますよ。
十分
ランタン飛ばしの体験ができることで有名な観光スポット。十分駅から30分ほど歩いた場所には「十分瀑布」という台湾一の落差と幅を誇る滝があります。
台湾の伝統文化に触れつつ、自然に囲まれながらマイナスイオンを存分に浴びることのできる「十分」は、多くの観光客に人気のスポットです。
猴硐猫村
「 猴硐猫村」は、とにかく猫がたくさんいる駅で、駅近くのお土産店では猫の形をしたパイナップルケーキが売っているほどです。
また猴硐猫村は、もともと炭鉱だった場所をそのままの姿で保存しており、台湾の歴史を肌で感じられるスポットでもあります。
台湾鉄道を使うことのいいところは、途中下車ができることです。なので、もしスケジュールに空きがあるのでしたらぜひ寄り道してみてください。
九份への行き方③ 「タクシー」
最後にご紹介する方法は、台北市内からタクシーを利用する方法です。
料金は台北駅から九份老街まで片道で大体1,100元(日本円でおよそ4,000円)と、直通バスや電車と比べるとかなり高くつきます。
ですが、タクシーを利用する方法は、直通バスや電車などを利用する場合と比べて、極限まで手間を省けるのが魅力的です。また複数人で利用すれば一人当たりの費用自体を安く済ませることもできます。
所要時間も、交通状況にはよりますが大体40分~1時間程度なので、旅行資金にある程度の余裕があって、面倒な手間を省きたい方はタクシーに乗ることをオススメします。
九份から帰るときの注意点 「出発時間に気をつけよう」
九份から台北市内に戻る際には、九份の出発時間に注意しましょう。九份から出発する時間が遅くなりすぎてしまうと、「バスに乗車できない」ということが起こり得ます。
九份からバスで帰る際は行きと同じく、1062系統か965系統を利用することで台北市内に戻ることができます。
ただし九份では、夜の提灯ライトアップを見てから帰宅しようと計画している観光客が多いので、夜18時以降、特に18:00〜19:00の時間帯にバス停に大行列ができやすいです。
また、この2つの台北直通バス路線も夜(18:00以降)の運行本数が少ないため、バスに乗るために最長で1〜2時間待たなければならない場合があります。
九份老街を出発する最終バスは、1062系統の最終バスは平日休日関わらず21:30、965系統の場合は平日休日関わらず21:00が最終バスなので注意しましょう。
【おまけ】台湾観光するなら悠遊卡を買おう
台湾旅行で電車やバス、タクシーを利用する予定があるなら、台湾到着後、「悠遊卡(ヨウヨウカー)」を購入しましょう。
悠遊卡って何?
「悠遊卡」とは、台湾の交通系ICカードのことで、日本でいう「Suica」や「PASMO」のようなものです。
台湾のバス、電車、タクシー、全ての公共交通機関で利用できる上に、コンビニの支払いも「悠遊卡」でできるので、1枚持っておくと非常に便利です。
また、台北MRT(地下鉄)を利用する時も、悠遊卡で支払うと料金が2割引になるので電車移動が多くなりそうな場合は悠遊卡を買った方がお得ですよ。
悠遊卡はどこで買えるの?
悠遊卡は、各駅の受付や、桃園国際空港、松山空港で買うことができます。
- 桃園国際空港の場合・・・第1•2ターミナルの窓口、もしくは空港内のセブンイレブン
- 松山空港の場合・・・トラベルサービス(旅遊服務;Travel Services)か、空港内のセブンイレブン
- 各MRT駅の場合・・・各駅の改札横の受付窓口
また上記以外でも、市内のコンビニで買うこともできます。もし空港やMRTの駅で買いそびれてしまった場合は、ホテル近くのコンビニなどで購入してください。
台湾旅行に行く人が現地で悠遊卡を購入した方がいい理由をまとめると以下の通りです。
- 台北MRTの運賃が2割引になる
- バスや地下鉄(MRT)タクシーなどの公共交通機関で利用する以外にも、コンビニでの支払いなどにも使える。
- 切符購入の手間がない(切符の購入は操作が複雑で、基本的に全て中国語なので少し不便)
九份の行き方 【まとめ】
以上、本記事では、「九份の行き方3つ」についてご紹介しました。
それでは最後にもう一度、この記事でご紹介した「九份の行き方3つ」をまとめます。
- 直通バスを利用する方法
- 電車(台湾鉄道)を使う方法
- タクシーを利用する方法
他の台北市内の観光地と違って、九份は行き方が少し複雑ですし、時間もかかります。ですが、そのぶん、九份で得られる感動も大きいので行く価値は非常にありますよ!