ローマ観光を考えていると、「有名なスポットはどこかな?」と楽しい気持ちも反面、「治安は良いのかな?」と不安もよぎりますよね。
比較的安全とも言われているローマですが、軽犯罪も多発しているので注意が必要です。
本記事では、ローマの治安や観光時の注意点を4つ紹介します。他にも、治安が悪いとされるエリアや防犯対策についても紹介するので、ローマに行く予定の方は、是非参考にして下さい。
(トップ画像出典:https://pixabay.com/ja/photos/ローマ-家-イタリア-市-4087275/)
ローマの治安はどうなの?
外務省の安全ホームページによると、観光地における日本人観光客などの犯罪被害は依然として多いとされています。
2016年のイタリア内務省の統計では、犯罪認知件数は約250万件となっており、中でもスリが約16万件・ひったくりが約1.7万件と窃盗犯罪が多発しています。
身の危険に繋がるような凶悪犯罪は少ないですが、軽犯罪は多発しているので、注意を怠らない方が良いでしょう。次の章からは、ローマ観光において特に注意するべきことを紹介していきます。
【ローマの治安】観光時の注意点①スリ・置き引き
ローマを観光する上で最も注意したいのが「スリ・置き引き」です。ローマはスリが多いことで知られており、観光客が最も被害に遭いやすい犯罪でもあります。
特に観光スポットや地下鉄など、人が密集する場所での被害が多く見られます。とはいえ、どこに居ても被害に遭う可能性があるので、常に荷物へ気を配ることが大切です。
犯罪手口は巧妙であり、グループでの犯罪や子供による犯行まで起きています。体をぶつけられたり、急に話掛けられたりするなど、気を逸らされているうちに盗まれる場合もあるので注意が必要です。
バッグに入れているから安全という訳ではないので、必ず手が届く位置・目が届く所で荷物を管理しましょう。
【ローマの治安】観光時の注意点②ひったくり
スリや置き引きと同様に、「ひったくり」にも注意しておきましょう。オートバイや自転車から、歩行者の荷物をひったくる事件が発生しているので、観光中も周囲を警戒しておく必要があります。
背後から追い越しざまにバッグを盗むケースが多いので、荷物を後方(目が届かない位置)で所持したり、車道側で荷物を持ち歩いたりしない方が安全です。
また、観光中は多額の現金や高額な物を持ち歩かないなど、予め対策をしておくことが大切です。もしもの場合に備えておくことでリスクを軽減することができます。
【ローマの治安】観光時の注意点③物乞い
イタリアを観光するにあたり、「ジプシー」の存在は切り離せないでしょう。ジプシーとは、ヨーロッパで生活する少数民族や移動型民族を指す民族名です。
近年の日本では、「ジプシー」という言葉自体が差別用語・放送禁止用語とされており、「ロマ」という言葉に置き換えられる傾向があります。
このジプシーと呼ばれる人たちは、教会やスーパーの前など、至る所で物乞いを行っています。特に電車や地下鉄の券売機付近には、必ずと言うほどジプシーがおり、券売機の使い方を説明をしつつ物乞いをしてきます。
何か危害を加えてくる訳ではありませんが、安易な気持ちで関わらない方が無難でしょう。
普通の格好をしているジプシーもいますが、ロングスカートやスカーフを巻いている人も多く見られます。ジプシーはインド系の移民が多く、イタリアでは「ジンガリ」と呼ばれています。
【ローマの治安】観光時の注意点④勧誘
ローマに限ったことではないですが、イタリアでは気さくに話し掛けてくる人が多く、その延長でトラブルに巻き込まれるケースも報告されています。
飲食を共にした後、店から高額な請求をされたり、貴重品を盗まれたりするといった被害が発生しているので注意が必要です。
親しげに話し掛けてくる人の中には、親切な人も沢山います。しかし、安易に信用してしまうとトラブルに遭う可能性が高くなるので、注意を払いながら対応することが大切です。
特に女性の場合、男性から声を掛けられることも多いので、勧誘に対してはっきりと断るようにしましょう。
【ローマの治安】観光時の注意点⑤テロ
過去のイタリアでは、イタリア国内に住む外国人によってテロを計画した事案や、極左・極右系のテロ組織やマフィアによるテロ事件が発生したことがあります。
しかし、国際イスラム過激派組織が関与したと見られる大規模なテロ事件は発生していません。
テロを予測したり、未然に防いだりすることは極めて難しいですが、テロが起こり得ることを認識しておくことが重要です。
また、イタリアへ渡航する前に、テロについての情報を確認しておきましょう。テロに関する最新情報は、外務省の海外安全ホームページから確認することができます。
【ローマの治安】危険なエリア
この章では、ローマの中で治安が悪いとされるエリアを紹介します。
- エスクイリーノ:スリ
- トール・ベッラ・モナカ:スラム街
- サン・バジリオ:ドラッグ・強盗
- プラーティ・フィスカーリ:売春・買春
テルミニ駅の南側に位置する「エスクイリーノ」以外は、基本的に観光客が立ち寄るような場所ではありません。
観光中に利用する可能性がある「エスクイリーノ」では、スリが多発しているので十分に注意しましょう。(特にテルミニ駅やヴィットリーオ・エマヌエーレ広場周辺では、スリ・浮浪者が多く見られます。)
上記のエリアは、絶対に近寄ってはならないほど危険ではありませんが、危険が伴うことを認識しておくことが大切です。
【ローマの治安】防犯対策
比較的安全とも言われているローマですが、快適に観光するためにも予め防犯対策をしておくことが重要です。以下のような対策をするだけでもリスクを減らすことができます。
- 高級品・多額の現金を持ち歩かない
- 荷物を置く場合、目の届く所に置く
- 荷物は体の前方・車道の反対側で所持をする
- ホテルの部屋に貴重品を残さない
- 暗い夜道を1人で歩かない
- 知らない人に話し掛けられても安易に対応しない
- 周囲の状況を確認する(特にジプシーや子供によるスリに注意)
ローマ観光で特に注意したいのは「スリ」です。先程も紹介したように、会話や体の接触で気を逸らされているうちに、貴重品が盗まれてしまう場合があります。
また、子供が何か話し掛けてきた時はスリの可能性が高いので、荷物を奪われないよう注意しましょう。
緊急時の連絡先
どんなに注意を払っていてもトラブルに巻き込まれてしまう場合があるので、必ず緊急時の連絡先を確認しておきましょう。
- イタリア国家警察:113
- イタリア軍警察:112
- 消防車:115
- 救急車:118
- 在イタリア日本国大使館:(国番39)-(市外局番06)-487991
在イタリア日本国大使館は、パスポートを失くした場合など再発行する時に出向く必要があるので、必ず連絡先を控えておきましょう。
パスポートの再発行には、警察発行の「盗難届」「紛失届」や「パスポート用の写真」「6ヶ月以内に発行の戸籍謄(抄)本」などが必要です。
パスポートの再発行についての詳細は、在イタリア日本国大使館の公式サイトから確認することができます。
ローマの治安まとめ
今回は、ローマの治安や観光中の注意事項について紹介しました。何度も紹介しているように、ローマでは「窃盗犯罪」に要注意です。
せっかくの楽しい観光も、被害に遭ってしまっては気分も下がってしまいます。観光で気が抜けていたり、気持ちが高ぶったりもしますが、周囲の状況も気にしながら観光に臨みましょう。
また、もしもの場合に備えて、多額の現金・高額の物を持ち歩かないなど対策をしておくことが大切です。この記事で紹介したことを踏まえ、ローマでの観光を楽しんで下さい。