静岡県浜松市のお土産といえば?そう、『うなぎパイ』ですね。浜松観光の定番お土産としてとても有名なので、誰でも一度は食べたことがあるのではないでしょうか。
友達や自分の旅行土産や、お父さんの出張土産として普段何気なく食べているうなぎパイには、実はたくさんの秘密が詰まっているんです。
ということで、今回は浜松の定番お土産“夜のお菓子・うなぎパイ”のあまり知られていない魅力に迫っていきたいと思います!
(トップ画像出典:https://pixabay.com/photos/mountain-japan-hills-shizuoka-sky-3495259/)
静岡観光の定番土産・うなぎパイが誕生したきっかけ
今でこそ全国的に有名なお土産になった『うなぎパイ』ですが、その歴史は意外と古く58年前の1961年(昭和36年)まで遡ります。
菓子製造会社・春華堂の当時の社長だった山崎幸一さんが「浜松といえば浜名湖、浜名湖といえばうなぎ。じゃあうなぎを使ったお菓子を作ろう」と思いついたことが始まりです。
『パルミエ』というフランス洋菓子を参考に、うなぎらしい形状を目指して試行錯誤を重ねた結果、馴染み深いあのフォルムが完成。蒲焼っぽく串にさして焼いたら抜けなくなって食べられない…なんて苦労話も。
ちなみにうなぎパイはうなぎの味はしませんが、ちゃんとパイ生地にうなぎエキスが含まれています。うなぎ味を押し出すよりはお菓子としてのクオリティを重視したということですね。
交通網の発展で静岡観光土産の定番から全国クラスの名菓に!
うなぎパイ発売後、東海道新幹線や東名高速道路など、交通インフラが急速に発展しそれに伴い売り上げが急速に伸びていきます。
1962年の年間売り上げ本数は60万本でしたが、東京オリンピック後の1965年になるとなんと700万本以上の売り上げを記録。その後も飛ぶように売れ続け翌年には年間売り上げ1000万本を達成しました。
その後も人気は衰え知らずで2006年にgooランキングで開催された『好きな全国の土産ランキング』では白い恋人、長崎カステラに次いで3位に入る大健闘。
こうしてうなぎパイは全国でも有名なお土産の一つとして完全に定着します。その人気と知名度の上昇ぶりはまさしく“うなぎのぼり”ですね。
有名なキャッチフレーズ“夜のお菓子”に込められた意味とは?
『夜』『うなぎ』と聞くとついつい“精力増強”をイメージしてしまうのが大人の悪い癖ですが、このキャッチフレーズの真の意味は、1961年に販売し始めた頃の日本情勢と深く関わりがあります。
高度経済成長期だった当時の日本ではみんな働きに出て、子供達も学校や塾に行くようになり、家族が一緒の時間を過ごす機会が減り始め、家族が顔を合わせるのは夕食の時だけという家庭が増えて来ました。
そこで「夕食の後、家族みんなでうなぎパイを食べて楽しいひと時を過ごしてほしい」という願いを込めて“夜のお菓子”というキャッチフレーズを当時の社長・山崎幸一さんが命名しました。
なかなか人情味ある話ですね。ちなみに“精力増強”のイメージを逆手にとりにんにくパウダーを混ぜたり、パッケージをマムシドリンクのように赤・黒・黄色を基調にするなど、商魂もたくましいです。
静岡観光に来たら『うなぎパイファクトリー』にいってみよう!
ここまででうなぎパイについてかなり興味が湧いて来ているのではないでしょうか。そんなあなたの静岡旅行のプランに『うなぎパイファクトリー』を組み込む事をオススメします。
ガラス越しのみではありますがうなぎパイ製造を見学出来る施設で、自由見学の場合は予約不要で観覧でき、予約をすればコンシェルジュの解説と案内付きで見学が出来ます。ちなみに料金はどちらも無料。
施設内には他にもうなぎパイの秘密に迫る映像が観れるシアターや、オシャレなカフェにお土産コーナーもあり、充実したひと時を過ごすことが出来るでしょう。
- 開設日:2005年4月6日
- 住所:〒432-8006 静岡県浜松市西区大久保町748-51
- 開館時間:9:30~17:30 (うなぎパイカフェオーダーストップ17:00)
- 電話番号:053-482-1765
製造元の春華堂は他のお菓子も魅力!観光に来たら立ち寄ろう!
2019年に創業70年を迎えた老舗菓子店の春華堂には、うなぎパイの他にも魅力的な和菓子・洋菓子を取り揃えています。
通年で販売している『うなぎサブレ』や井伊直虎限定パッケージの『遠州みそまん』に『春華堂ジェラート』、『なめらかベイクドチーズ』等豊富なジャンルの菓子が揃っています。
他には鮎をモチーフにした可愛らしい和菓子の『若鮎』や『塩レモンチーズのパイ』、静岡抹茶を使用した『冷やし大福』等、夏にぴったりの季節限定菓子も見逃せません。
静岡観光のお土産にうなぎパイの姉妹品たちもいかが?
うなぎパイにはいくつかの姉妹品がある事をご存知でしたか?王道のうなぎパイも良いですが、たまには一風変わったうなぎパイをお土産にして、友達や家族を驚かせてみましょう!
ブランデーとマカダミアの風味がちょっと大人っぽい『うなぎパイV.S.O.P.』やパイ生地にアーモンドを練りこんだ『うなぎパイナッツ入り』、静岡県産のしらすを使用した『しらすパイ』等があります。
シリーズを詰め合わせたセットも販売されていて、15本入り(税込1782円)・24本入り(税込2970円)と、『うなぎパイ ミニ』を加えた50本入り(税込4158円)の3種類を購入することが出来ます。
50本入りの商品は予約専用商品になっているので、ご注意ください。
うなぎパイの魅力を伝えるCMソング「うなぎのじゅもん」
なんと、うなぎパイにはCMソングまであるんです!しかも可愛らしいダンスつきで。この魅力は1000の文字を重ねるよりも実際に見ていただいた方が早いでしょう。
なんと中毒性の高いサビでしょうか。圧倒的「う」攻め。“うなぎの元気 根気 勇気 本気”のたたみかける感じは不思議とかっこいいですし、動画左上の振り付け解説もセンス抜群で“うなぎ愛”に溢れています。
作詞・作曲は70年代から活躍されているシンガーソングライターの小椋 佳さん。1975年にリリースしたアルバム『夢追い人』がオリコンチャートのTOP3に11週連続ランクインしたという伝説を持っています。
小椋さんは音楽活動と並行して銀行員として働いており、第一勧業銀行浜松支店の店長を務めていた経歴から、テーマソング制作を依頼されることになりました。
生誕50周年を記念したドラマ『誰(タレ)よりも君を愛す!』
2011年4月17日の夕方、うなぎパイ生誕50周年を記念したスペシャルドラマ『誰(タレ)よりも君を愛す!』がテレビ静岡制作・フジテレビ系列で放送されました。
主演は高橋克実さんと長澤まさみさんで、内容は浜松の老舗うなぎ屋『宇那木』を中心に繰り広げられるホームコメディ。古典落語をベースにしており、家族の絆の再生も描いた心温まるストーリーです。
番組中のCMには静岡出身の落語家・春風亭昇太さんが出演。ミニ番組形式でうなぎパイにまつわるエピソードをお話しするという内容でした。
静岡県浜松市以外でうなぎパイが購入できる場所
うなぎパイは基本的に浜松市内の春華堂各店舗で購入できますが、浜松市以外で購入できる場所を紹介します。
- 東京都内の百貨店
- 名古屋駅構内の土産物屋
- 名古屋市内のショッピングモール
- 富士山静岡空港
- 中部国際空港
- 羽田空港
- 成田国際空港
浜松市内でうっかり買い忘れても、ここに立ち寄れば手に入るので安心ですね。
うなぎパイは商品の性質上、割れやすく発送に不向きなので通信販売の取り扱いは現在行なっておりません。
うなぎパイの秘密を知ったら、静岡観光にぜひ来てください!
いかがでしたか?お父さんが出張土産で買って来て何気なく食べていたうなぎパイに、こんなにも魅力や秘密が詰まっているとは思いませんでしたよね?
静岡には見所たっぷりな観光名所や、おいしいグルメもたくさんあります。ぜひ旅行に来て静岡の全てを堪能し、お帰りの際にはお土産のうなぎパイを忘れずに買っていってください。
ということで、この記事でうなぎパイと静岡に少しでも興味を持っていただけたら幸いです。