芸術や美食に溢れるフランスですが、気温や気候を知ることでより快適な時間を過ごすことができます。地域や季節によって気候も異なり、あらかじめ確認しておくことが大切です。
そこで本記事では、フランスの気温や気候を説明しながらおすすめの服装も併せて紹介していきます。
旅行のベストシーズン、雨の日でも楽しめるスポットも紹介するので、ぜひ参考にして下さい。
(トップ画像出典:https://pixabay.com/ja/photos/エッフェル塔-パリ-フランス-768501/)
フランスの気温はどのくらい?
フランスは1年を通して穏やかな気温を保っています。フランス北部・西部は涼しく湿潤で、地中海の辺りは高温で乾燥しているのが特徴です。
下記のデータを見ると夏も快適そうですが、30℃を超える暑い日もあります。熱波の影響により40℃を上回ることもあるので注意が必要です。
「環境への配慮」「景観が損なわれる」という理由から、エアコンや冷房を設置してない場所も多いです。しっかり水分補給を行い、体調には気をつけましょう。
月 | 月平均気温(℃) | 月平均最高気温(℃) | 月平均最低気温(℃) |
1月 | 8.6 | 11.0 | 5.8 |
2月 | 4.7 | 7.8 | 1.7 |
3月 | 6.9 | 10.0 | 4.2 |
4月 | 10.7 | 14.9 | 7.0 |
5月 | 12.7 | 18.0 | 8.1 |
6月 | 16.5 | 21.4 | 12.5 |
7月 | 18.4 | 23.5 | 13.6 |
8月 | 16.6 | 21.0 | 12.8 |
9月 | 15.1 | 20.0 | 10.8 |
10月 | 11.8 | 16.4 | 8.1 |
11月 | 9.4 | 12.9 | 6.3 |
12月 | 9.6 | 11.6 | 7.5 |
フランスの降水量
フランスは、春から夏(4〜9月)の間は降水量が少なく、寒い冬の時期に多くなるのが特徴です。
人気観光地「モン・サン・ミシェル」があるノルマンディー・ブルターニュ地方は、雨が降りやすく気温も低いので、秋冬に観光する方は特に防寒対策が必要となります。
また、フランス南部にある「マルセイユ」は降水量が最も少ない都市です。フランス南部は雨が少なく、温暖な気候であることから観光地としても人気があります。
月 | 月降水量(mm) |
1月 | 159 |
2月 | 87 |
3月 | 136 |
4月 | 52 |
5月 | 46 |
6月 | 46 |
7月 | 69 |
8月 | 54 |
9月 | 34 |
10月 | 123 |
11月 | 194 |
12月 | 167 |
フランスの気候区分
フランスの気候は5つに区分されており、大西洋側・地中海側・山岳地帯などによって気候の特徴も大きく異なります。
- 海洋性気候
- 変化形海洋気候
- 半大陸気候
- 山岳気候
- 地中海気候
目的地の気候を把握しておけば、持ち物や服装を判断しやすくなります。それぞれの気候の特徴は以下の通りです。
海洋性気候(サンマロ、レンヌ他)
穏やかな気温と豊富な降水量が特徴です。夏は天気が変わりやすく、冬は湿気があってじめじめとしています。雨にも対応できる服装がおすすめです。
変化形海洋気候(パリ、リール、ランス他)
変化形海洋気候は、海洋性気候と山岳気候の間「準大陸性気候」です。冬と夏の温度差は、海との距離にによって変化します。フランスの中でも、1年中観光がしやすい穏やかな気候です。
半大陸気候(ストラスブール、ナンシー他)
夏は暑く、冬は厳しい寒さが特徴です。フェーン現象のある地域を除き、年間降水量は高く、夏は暴風雨に襲われることもあります。冬はコートやダウンジャケットなど防寒対策が必要です。
山岳気候(ピレネー山脈他)
標高や地形によって変化する独特な気候です。高度に応じて温度が変わり、風や降水量も場所によって異なります。体温調節ができる服装、歩きやすい靴での移動がおすすめです。
地中海気候(マルセイユ 、ニース他)
頻繁に強い風が吹き、雨の日が少ないのが特徴です。夏は暑く、冬は穏やかな気温となります。
夏は日差しが強いので、サングラスや日焼け止めクリームがあると便利です。冬は穏やかとはいえ、気温が下がることもあるので注意が必要です。
春のフランス(3・4・5月):気温の特徴とおすすめ服装
3月になると段々と暖かくなりますが、冬の寒さも残っています。最高気温も10℃を超えるぐらいなのでコートやジャケットが必要です。
4月になると平均気温が10℃近くになり、更に暖かくなります。それでも冷え込む日があるので、スプリングコートがあると便利ですよ。
5月は平均気温が15℃近くまで上がり、日中はカーディガンやパーカーでも問題ありません。4月と同様、冷え込む日もあるので気軽に羽織れるアウターがあるとより安心です。
春と言っても肌寒い日や寒暖差もあり、体温調節が重要となります。南フランス(ニース、マルセイユなど)の春はすぐに20℃近くまで上がるので、比較的ラフなスタイルで過ごせますよ。
夏のフランス(6・7・8月):気温の特徴とおすすめ服装
6月に入ると平均最高気温が20℃を超え、フランスの夏が始まります。穏やかな気候であり、日中はジャケットやカーディガンを着ておけば特に問題なく過ごせます。
夏本番の7月になれば平均気温が20℃、平均最高気温も25℃ほどまで上昇します。フランスの夏は湿度が低く、日本とは異なるカラッとした暑さです。日中は半袖や7分袖の服で十分に過ごせます。
7月と同様に8月も気持ちの良い暑さが続くので、半袖や7分袖のようなラフなスタイルで大丈夫です。フランスの観光スポットを巡る方はスニーカーなど歩きやすい靴の方が快適です。
特に南フランスは日差しも強く、気温も高いので帽子やサングラス、日焼け止めクリームを持っていきましょう。ハイキングやトレッキングにも最適な季節なので、地方に行くのもおすすめです。
フランスではエアコンや冷房が整備されていない場所が多いので、体調管理にはご注意下さい。また、熱波の影響で気温が急上昇することがあります。気象情報は必ず確認しておきましょう。
秋のフランス(9・10・11月):気温の特徴とおすすめの服装
日本の9月はまだまだ暑いですが、フランスの9月は秋の気配が漂い始めます。10月に近づくにつれ気温も段々と下がっていくので、薄手の羽織る物があると便利です。
10月になると急激に気温が下がり、平均気温も10℃ほどになります。10月辺りからはセーターなどに衣替えをし、寒がりな方はコートやジャケットもあるとより安心です。
11月は平均気温が10℃を下回り、最低気温も6℃ほどまで下がるので冬物が必要となります。足が冷えると体全体が冷えてしまうので、スニーカーからブーツに変えるのもおすすめです。
秋は日照時間が短くなり、冷え込みも厳しくなります。季節の変わり目でもあるので体調管理にはいつも以上に気を配りましょう。
秋になると雨が多くなります。出掛ける際は折り畳み傘や雨具を携帯しておきましょう。
冬のフランス(12・1・2月):気温の特徴とおすすめ服装
12月からは完全に冬の季節です。最低気温が5℃を下回ることもあり、厚手のコートやダウンジャケットなど防寒対策が必要です。
1月はより寒さが増し、地域によって雪や雨が多くなります。路面が凍ることもあるので、滑りにくいブーツがおすすめです。
1月と同様に2月も厳しい寒さが続きます。平野部ではあまり雪は降りませんが、寒波によって雪が降ることもあるので油断はできません。マフラーや手袋、使い捨てカイロがあるとより安心です。
2月のパリやリヨンの最高気温は8℃前後、最低気温は1〜2℃ですが、南フランスはパリよりも4℃ほど高いです。目的地によって気温や気候が変わることを頭に入れておきましょう。
フランス旅行のベストシーズン
フランスも日本と同じように四季があり、どのシーズンにも魅力はあります。その中でもベストシーズンを挙げるなら「春から秋」のシーズンです。
春から秋にかけては降水量も少なく、穏やかな気候が続きます。夏の暑さも日本ほどではなく、最高気温が30℃を超えることも多くはありません。
毎年7月には世界最大規模の自転車ロードレース「ツール・ド・フランス」が行われ、10月にはパリ発祥のチョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ」が開催されるなど、イベントも多いのでおすすめです。
雨でも楽しい!フランスの人気スポット
「せっかくフランスに来たのに雨が…」ということもありますよね。フランスは観光スポットの宝庫であり、特に歴史的建造物が多く残っているので雨を避けながら観光を楽しむことができます。
以下で紹介するスポットは、フランスでは外せない大人気のスポットばかりです。天候によって観光プランを変更する際は、ぜひ足を運んでみて下さい。
ルーブル美術館
ルーブル美術館は、もはや説明不要とも言えるほど世界的に有名な美術館です。「モナ・リザ」や「ミロのヴィーナス」を筆頭に歴史的価値のある作品が展示されています。
館内はとても広く、全てを見るとしたら数日掛かってしまいます。アート好きには聖地であり、アートに興味がない方もフランスに行くなら必ず訪れておきたいスポットです。
オルセー美術館
オルセー美術館は、ルーブル美術館と共に芸術の都・パリを代表する美術館です。ゴッホ、ゴーギャン、セザンヌなど多くの著名人の傑作が展示されています。
印象派や写実派などの貴重な作品が揃っており、見応えはルーブル美術館にも負けていないほどです。美術に詳しくない方も十分に楽しめます。
べルサイユ宮殿
1682年にフランス王・ルイ14世が建てた絶対王朝を象徴する宮殿であり、フランス随一の豪華絢爛なスポットです。
バロック建築の代表的な建物で内装も驚くほど豪華です。絵画や彫刻も展示されており、想像を遥かに超える光景が広がっています。
パリから南西約20kmの所に位置していますが、この宮殿に1日を費やす方もいるほど人気です。
パッサージュ
パッサージュは、18世紀末以降にパリを中心に建造された商業空間です。ガラスのアーケードに覆われており、雨に濡れることなく買い物や食事を楽しむことができます。
19世紀にはパリに150以上も存在していましたが、今では十数ヶ所しか残っていません。観光を楽しみつつ、古き良きパリを味わいたい方は特におすすめです。
フランス気温・気候のまとめ
フランスは地域によって気温や気候が変わることを覚えておきましょう。基本的に1年通して過ごしやすい気候ですが、目的地によって状況は変化します。
珍しく平野部で雪が降ったり、40℃を超える猛暑日が観測されるなど予期せぬ自体も起きるので事前の確認が重要です。
また、朝晩の寒暖差があるので体調管理がとても大切となります。体温調節が行いやすく動きやすい服装でフランスを満喫して下さい。