花巻ー釜石間を駆け抜ける「SL銀河」は、宮沢賢治の世界が楽しめるジョイフルトレインです。
車内へ足を踏み入れると、過去へタイムスリップしたようなレトロな世界が広がっています。SL銀河という非日常の世界で、ゆったりとした時間を満喫してみませんか?
この記事では、SL銀河の見所をはじめ、車両編成・運行スケジュール・切符の購入方法について紹介します。また、SL銀河が発着する花巻市・釜石市のおすすめスポットも紹介するので、是非最後までご覧ください。
(トップ画像出典:https://pixabay.com/ja/photos/鉄道-機関車-蒸気-電源-19640/)
SL銀河とは?
SL銀河は、JR東日本が釜石線で運行している蒸気機関車です。2011年に発生した「東日本大震災」からの復興支援・地域活性化を目的として、2014年から運行が開始されました。
「岩手県運動公園内」に展示していた1940年製造の「C58形蒸気機関車239号機」を復元しており、客室車両は釜石線(旧岩手軽便鉄道)を舞台に描かれた宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」がテーマとなっています。
細部にまで美しいデザインが施されており、見ているだけでも楽しめるのがSL銀河の魅力です!次の章からは、SL銀河の見所について紹介していきます。
SL銀河の見所①外観のデザイン
1つ目の見所は、SLが牽引する4つの車両の外観です。外観に描かれた模様は、「銀河鉄道の夜」に登場する星座や動物たちがモチーフとなっており、まるで物語の中から飛び出したような世界観が広がっています。
また、車両の美しい青色は、イタリア人以外で初めてフェラーリ(イタリアの高級自動車)のデザインを手掛けた奥山清行氏が選んだ色でもあります。
トーンが異なる8色の青を塗り分けることで、夜明けから朝へと変わりゆく空を表現しているそうです。まさに銀河を彷彿させるピッタリなデザインですね!
現代では珍しいSLも見所ですが、客室車両の外観にも是非注目してみてください!
SL銀河の見所②レトロ感溢れる内装
2つ目の見所は、レトロ感溢れる内装です。車内は宮沢賢治が生きた大正から昭和の世界観を表現しており、木材を基調としたノスタルジックなデザインとなっています。
細部にも拘りが見られ、「ガス灯風の照明」や「ステンドグラス」、植物をモチーフとした「パーテーション」が施されています。シックでありながら温かさも感じられるので、とても居心地が良いですよ!
現代にはない情緒が溢れているのもSL銀河の魅力の1つです!次の章では、魅力溢れるSL銀河の車両編成について紹介します。
SL銀河の車両編成
SL銀河はただの客室車両ではなく、様々な要素を持った車両によって編成されています。(以下の車両編成は、花巻駅行きのものとなります。)
- 1号車:月と星野のミュージアム&プラネタリウム・沿線にまつわる作品展示
- 2号車:宮沢賢治ギャラリー&ライブラリー車両
- 3号車:宮沢賢治ギャラリー&「銀河鉄道」ギャラリー車両
- 4号車:宮沢賢治ギャラリー&SLギャラリー車両・ギフトショップ
1号車の「光学式プラネタリウム」ではSL銀河のオリジナルプログラムを見ることができ、4号車の「ギフトショップ」ではおつまみセットやオリジナルグッズを購入できます。
また、各車両には、宮沢賢治の貴重な直筆書やSLの歴史を振り返るパネルなど様々な作品が展示されています。車両を渡り歩いて見学するのもSL銀河の醍醐味です!
SL銀河の停車駅・運行時刻
この章では、SL銀河の停車駅・運行時刻について紹介します。停車駅・運行時刻は変更する場合もあるので予めご了承ください。
- 花巻:10:37発
- 新花巻:10:48着・10:50発
- 土沢:11:00着・11:03発
- 宮守:11:26着・11:40発
- 遠野:12:13着・13:31発
- 上有住:14:15着・14:17発
- 陸中大橋:14:32着・14:40発
- 釜石:15:08着
- 釜石:10:58発
- 陸中大橋:11:30着・11:39発
- 上有住:11:57着・12:02発
- 遠野:12:44着・13:53発
- 宮守:14:26着・14:33発
- 土沢:14:53着・14:56発
- 新花巻:15:06着・15:08発
- 花巻:15:19着
SL銀河の運行期間
この章では、SL銀河の運行期間について紹介します。SL銀河は通年運行している訳ではなく、4月から10月までの観光シーズンに運行されます。(2020年は4月から8月までの運行となります。)
以下の内容は、2020年の運行スケジュールです。(毎年運行期間・運航スケジュールが異なります。)
- 運転区間:釜石線・花巻駅〜釜石駅間
- 運転期間:2020年4月18日〜2020年8月16日までの土日・一部祝日
- ※変則的な運行を行う日もある
- ※主に土曜日に下り(釜石行き)・日曜日に上り(花巻行き)が運行
- ※6月の運転日はなし
尚、SL銀河は片道運行のため、往路または復路は普通電車などの移動となります。
SL銀河の切符の購入方法
SL銀河は全席指定となるので、「乗車券」の他に「指定席券」の購入が必要となります。指定席券は、以下の場所から購入可能です。(一部取り扱っていない場所もあります。)
- 指定席券売機
- みどりの窓口
- びゅうプラザ・旅行会社
- えきねっと(ネット予約)
料金は、花巻駅ー釜石駅間で大人2,480円となります。(乗車券1,660円+指定席券820円・乗車日の1ヶ月前の10時より販売)
予約開始と同時に満席になる場合もあるので、早めの予約がおすすめです。尚、「えきねっと」で予約する場合は会員登録が必要となります。
SL銀河の楽しみ方
SL銀河の魅力は、蒸気機関車ならではの揺れ・石炭の煙の匂い・ノスタルジックな内装など、日常では味わえない情緒が溢れていることです。
現代にはない情緒を感じつつ、まったりと過ごすのも1つの楽しみ方です。飲食物の車内販売は行っていないので、乗車する前にコーヒーやお菓子など旅のお供を用意しておきましょう!
「SL銀河を写真に収めたい!」という方は、めがね橋と呼ばれる「宮守川橋梁」が人気撮影スポットなので、是非そちらにも足を運んでみてください!
花巻市・釜石市のおすすめスポット
最後に、SL銀河が発着する花巻市・釜石市にあるおすすめスポットを紹介します。(上記の画像は「宮沢賢治童話村」です。)
- 宮沢賢治童話村:賢治童話の世界で楽しく学ぶ「楽習」施設
- イギリス海岸:宮沢賢治が命名した北上川西岸
- 林風舎:「注文の多い料理店」の世界観がイメージされたカフェ
「林風舎」のオーナーは、宮沢賢治の弟・清六の孫にあたる宮沢和樹さんが店主を務めています。宮沢賢治ファンなら外せない、聖地のようなスポットです!
- 釜石大観音:釜石湾を一望できる高台「鎌崎半島」に立つ高さ48.5mの観音像
- 橋野鉄鉱山:現存する日本最古の洋式高炉跡・2015年に世界遺産に登録
- 鉄の歴史館:釜石と鉄の歴史を学べる博物館
釜石市は、「鉄と魚のまち」とも言われるほど製鉄業と漁業によって発展してきた場所です。
釜石の歴史に触れつつ、三陸の海鮮を楽しむ観光も楽しそうですね!特に中村屋の「海宝漬」は、ご飯のお供として大人気です。
SL銀河のまとめ
今回は、花巻駅ー釜石駅間を運行するSJ銀河について紹介しました。近年は、日本各地の観光列車が注目されていますが、SL銀河ほどノスタルジックな列車はあまり見かけません。
蒸気機関車という物珍しさもあり、今もなお多くの人を魅了している大人気の列車です。電車好きな方はもちろん、宮沢賢治に興味のある方も1度は乗車しておきたいですね!
また、SL銀河が走るエリアには、魅力的なスポットや美味しいグルメが沢山あります。SLの旅を楽しみつつ、現地の観光も楽しみましょう!