「ワシントンDCに行きたいけど治安が気になる。」という方は、必ず本記事を読んで下さい。治安の知識を深めておけば、より快適に過ごすことができます。
本記事では、知っておいた方が良いワシントンDCの治安について紹介していきます。
治安の悪い地域や巻き込まれやすい犯罪、トラブルの対策なども紹介していくので、ぜひ最後までご覧下さい。
(トップ画像出典:https://pixabay.com/ja/photos/米国連邦最高裁判所ビル-2225766/)
ワシントンDCは治安が悪い?
ワシントンDCは、全米でも危険な都市として知られており「犯罪都市」と呼ばれることもあります。
人口10万人あたりの犯罪発生率が非常に高く、特に「殺人」や「窃盗」といった事件は全米でもトップクラスです。
しかし、ワシントンDC全体が危険という訳ではありません。ほとんど犯罪が起きない安全エリア(人気観光エリア等)と犯罪件数が多い危険エリア(低所得者地域)の対比が激しいということです。
統計やネットの情報を見ていると危険な都市に思えるかもしれませんが、危険な地域や対策を知っておけば快適に過ごすことができますよ。
治安を知る前に覚えておきたい地域区分
ワシントンDCは、「アメリカ合衆国議会議事堂」を中心に4つのエリアに分かれています。
- NW(Northwest)【北西エリア】
ホワイトハウス、リンカーン記念堂 - NE (Northeast)【北東エリア】
一般の住宅が立ち並ぶ地域 - SW(Southwest)【南西エリア】
タイダルベイスン、ジェファーソン記念堂 - SE(Southeast )【南東エリア】
ナショナルズ・パーク
エリアを表す時、「NW・NE・SW・SE」と2文字で表記されることが多いので覚えておくと便利です。次の章から、治安の良いエリア・悪いエリアについて紹介していきますね。
ワシントンDCで治安が良いエリア
一般的に治安が良いと言われているエリアは「NW(北西エリア)」です。
富裕層が多く、ホワイトハウスなどの中枢機関もあることからセキュリティもしっかりしています。
また、ワシントンDCで有名なスポットのほとんどがNWにあるので比較的安全に観光ができます。
- ワシントン記念塔
- リンカーン記念堂
- 国立自然史博物館
- 国立アメリカ歴史博物館
スミソニアン博物館など観光スポットが集結している「ナショナル・モール」の一部は違うエリアとなりますが、モール内であれば特に問題なく過ごせます。
NWには、「ジョージタウン」というお洒落な店が揃う人気のエリアがあります。観光にもおすすめですが、スリや置き引きが多いので注意が必要です。
ワシントンDCで治安が悪いエリア
主にワシントンDCの東側(特にNEとSE)は治安が悪いと言われています。紹介する以下のエリアは、特に治安が悪いと言われているエリアなので必ず覚えておきましょう。
SE(Southeast )【南東エリア】
SE(南東エリア)にあるCapitol Hillの南東側「アナコスティア」は危険なエリアです。再開発が行われているエリアですが、犯罪が多発しています。
昼間から徘徊している人や警察の尋問を受けている人もいるので、時間帯に関係なく近づかない方が安全です。
NE (Northeast)【北東エリア】
NE(北東エリア)には多くの低所得者が居住しており、治安が悪いエリアとしてよく挙げられています。
アナコスティアと同様、日中の明るい時間帯でも危険な雰囲気があるので、うかつに近寄らない方が良いでしょう。
NW(Northwest)【北西エリア】
治安の良いエリアとしてNW(北西エリア)を紹介しましたが、Cardozo周辺は危険なエリアなので注意が必要です。
日中は人々が往来しており、割と綺麗な街並みをしていますが、ワシントンDCの中でも犯罪件数がトップレベルのエリアです。
昼間の治安は良いですが、夜は危険が伴います。ナイトクラブが多く、犯罪に巻き込まれる可能性があるので夜間に出向くのは避けましょう。
治安が悪いエリアの特徴
アメリカは所得格差が激しい国であり、エリアによって社会的階層がはっきりとしています。通りを1つ渡るだけで治安が変わることもあります。
ワシントンDCにも治安の悪いエリアが点在しているので、観光や散策する際は注意が必要です。
自分の目で判断しなければならない時もあるので、以下の特徴があるエリアには近づかないようにしましょう。
- ガラスが割れている人気のない廃墟がある
- 窓に鉄格子や板が設置してある
- 夜にも関わらず子供が外に出ている
- 焦点が合っていない、独言を言う人がいる(薬物中毒)
- 身なりが汚い人がうろついている
- 路上でたむろ、喫煙、飲酒している人が多い
- 落書きや改造車が多く見られる
- 日中からパトカーが止まっている ※特に2台以上止まっている時は要注意
治安の悪いエリアでは、上記のような特徴だけでなく街の雰囲気もガラッと変わります。
パトカーが2台以上ということは凶悪な犯罪が起きている可能性が高く、場合によっては銃撃戦になる危険性も意味しています。
ワシントンDCで巻き込まれやすい犯罪①スリ
ワシントンDCで起きる犯罪の中で、最も巻き込まれやすい犯罪が「スリ」です。
- 財布や携帯などは安易にポケットへ入れない
- バッグは体に密着する斜めがけの物、ジップの開閉ができる物を選ぶ
- 余分な金銭や貴重品を持ち歩かない
人が密集する有名なスポットでは特に注意が必要です。グループによる犯行も多く、1度盗られてしまった物はほとんど戻ってきません。
まずは持ち物自体を減らし、なるべく身軽な状態での行動を心掛けましょう。
ワシントンDCで巻き込まれやすい犯罪②置き引き
ワシントンDCは「窃盗」の犯罪発生率が高く、スリと同様に気をつけておきたいのが「置き引き」です。
- 荷物を置く場所は体の後ろではなく、目に入る前の方に置く(人が行き交う通路側も避ける)
- 空港、バスターミナル等での移動中も荷物はなるべく手で持つ
- ホテルで貴重品を放置しない(フロントの金庫やセーフティーボックスに預ける)
※ホテルの体制に疑問のある方は自己管理が必要となります
「周りの人は気にしてなさそうだから大丈夫」という気の緩みが置き引きの被害に繋がります。
食事中に席を離れる時、財布や携帯を置いたままにしていませんか?日本と同じ感覚でいると簡単に盗まれてしまいます。
常に所持品は狙われているという警戒心を忘れずに持っておきましょう。
ワシントンDCで巻き込まれやすい犯罪③強盗
「強盗」と聞くと、治安の悪い地域で起こるというイメージがあるかもしれませんが、オフィス街やホテル内でも起きることがあります。
- 夜間の外出はなるべく控える
- ホテル滞在時は必ず施錠を行い、相手を確認するまでドアを開けない
- 建物の陰に引きずり込まれないよう車道側を歩く
※車での犯行も考えられるので、車道側で荷物を持たないようにする
大使館や博物館がある安全なエリアでも、夜間は危険が伴います。なるべく夜間の外出を控え、タクシーやUberを利用するなど「door-to-door」の移動を心掛けましょう。
トラブルが起きた場合の対処法
気をつけていてもトラブルに巻き込まれることはあります。被害にあった時に慌てないためにも、予めトラブルに巻き込まれた場合の対処についても学んでおきましょう。
大手の施設や機関であれば大抵日本語を話す人がいます。英語が苦手な方は「Japanese please.(日本語でお願いします)」でも伝わります。
盗難、事件→「警察」に連絡をする
ワシントンDCでトラブルに巻き込まれた場合、911をダイヤルして警察を呼び、名前・場所・負傷者などについて聞かれるので落ち着いて状況を伝えましょう。
盗難にあった方は、盗難届(ポリスレポート)を作成することが大切です。
被害に受けた証明となり、クレジットカードなど個人情報を利用されてしまった場合にも重要な書類となります。
911は「救急車」や「消防」にも通じる緊急時共通の番号なので必ず覚えておきましょう。
パスポートの紛失、深刻な事態→「日本大使館」に連絡をする
日本大使館では「パスポートの発行・更新」を行っています。パスポートを紛失した場合は、最寄りの警察で盗難・紛失届を出した後、日本国大使館へ連絡しましょう。
紛失を考慮して、パスポートのコピー・パスポート用の顔写真・身分証明できる物(運転免許証や住民票)を持参しておくことが大切です。
また、日本大使館は「滞在先の自国民の保護」という役割を担っています。
自然災害や命に関わるような事件に巻き込まれるなど、身の安全を確保できない場合も日本大使館へ連絡しましょう。
+1 202-238-6700(在アメリカ合衆国日本国大使館)
出先での紛失→「施設、機関」に連絡をする
ワシントンDCの観光スポットやレストランなどで物を無くした場合、利用した施設に直接出向くか電話で問い合わせましょう。
ワシントンDCの治安まとめ
今回は、ワシントンDCの治安について紹介しました。ワシントンDCにも治安の悪いエリアがありますが、ポイントを押さえておけば快適に過ごすことができます。
スリや置き引きに関しては「人が集まる場所で起きる」「思いも寄らない時に被害に遭う」ということが共通しています。海外に慣れている方も十分に注意が必要です。
強盗やひったくりは「人目につきにくい場所」あるいは「人が少ない場所」で起きる可能性が高いです。自分の身は自分で守るという心構えを持ちつつ、ワシントンDCを満喫して下さい。