アグリツーリズムという言葉、意味までしっかりと分かりますか?ときどき目にすることはあっても、なかなか意味まで知る機会はなかったという人もいるのではないでしょうか。
そこで、この記事ではアグリツーリズムについて、言葉の意味や似た用語との違いに加えて、おすすめツアー5つを紹介していきます。
この記事を通してアグリツーリズムについて知って、実際にアグリツーリズムに参加してみてくださいね。
アグリツーリズムとは?①言葉の意味
アグリツーリズムとは、農業や漁業が盛んな場所で休暇を過ごすことを言います。都会で暮らしている人にとっては農業や漁業に触れる機会というのはあまりありませんよね。
そこで、休みの日に農業や漁業が身近にある生活を体験するのが、アグリツーリズムです。農業・漁業について知りたい人や、都会のデジタルな世界から離れてリフレッシュしたい人に人気があります。
また、主に農業や漁業で経済を支えている農村・漁村からしても、関心を向けてくれる人が増え、さらには観光業として新たな収入源ができることはとても有益です。
こうした都会と農村・漁村のニーズをうまくマッチさせて、生まれたのがアグリツーリズムなんですよ。
アグリツーリズムは、agriculture(アグリカルチャー/農業)とtourism(ツーリズム/観光)を組み合わせた造語です。
アグリツーリズムとは?②違う呼び方2つ
アグリツーリズムは、グリーンツーリズムやブルーツーリズムと呼ばれることもあります。グリーンツーリズムは農村の観光をすること、ブルーツーリズムは漁村の観光をすることを指します。
アグリツーリズムという呼び名も使われていますが、日本ではグリーンツーリズムやブルーツーリズムという呼び方のほうが広く使われているので、覚えておいてくださいね。
農業は植物を育てるので、植物=緑色=グリーン、漁業は海や川で行うもので、海や川=青色=ブルー、という風に覚えると覚えやすいですよ。
アグリツーリズムとは?③エコツーリズムとの違い
アグリツーリズムと似た言葉にエコツーリズムという言葉があります。ここではこのふたつの違いについて紹介していきます。
アグリツーリズムもエコツーリズムも都市部を離れて、自然豊かな場所に行くという点では同じです。しかし、このふたつは全くの別物です。
アグリツーリズムは前章で紹介したように、農業体験や漁業体験を目的としているのに対して、エコツーリズムは、自然環境保護を目的としています。
農業や漁業に触れたい人はアグリツーリズム、自然の雄大さを感じて自然保護の大切さを実感したい人はエコツーリズムに参加するといいでしょう。
アグリツーリズムとは?④歴史
アグリツーリズムは農業体験や漁業体験をする観光のことだと分かりましたが、一体、どこでどのようにして生まれたのでしょうか?ここではアグリツーリズムの歴史について紹介していきます。
アグリツーリズムが生まれたのはヨーロッパです。近代化が進み、人間と自然との調和のバランスが崩れてきたことがきっかけで、自然との調和を再度見直そうという動きが生まれました。
その中で具体的な策として生まれたのがアグリツーリズムです。アグリツーリズムで農業が身近にある暮らしを体験し、その土地の人たちと交流することで農業や自然との調和を学ぼうとしたわけです。
現代では、自然との調和を考え直すだけでなく、日々の疲れをリフレッシュする余暇活動としての側面も持っています。
アグリツーリズムが注目されている理由とは?
観光地を見て回るよりも、「体験」や「アクティビティ」にお金をかけたい、という考え方が増えていることにより、アグリツーリズムが注目を集めています。
首都圏で暮らす人にとって、農業や漁業は貴重な「体験」なのです。
平日はパソコンに向かってカタカタお仕事しているほど、自然に触れ合えるアグリツーリズムを利用してみてはいかがでしょうか?
アグリツーリズムの課題とは?
農業や漁業を観光として楽しみながら、手軽に体験できるアグリツーリズム。観光する側としても魅力的であり、農村・漁村からしても地元をアピールできるため嬉しい取り組みです。
しかし、現実的にはアグリツーリズムは課題を抱えています。年々人口が減っている農村は、村おこしをしようとしてアグリツーリズムを取り入れるケースがあります。
観光客が泊まる宿を立てるのにもお金がかかるため、そもそも経済的に潤っていない農村や漁村が始めるのにはかなりハードルが高いのです。
なおかつ、宿を作っても客がくるとは限りません。清潔さや豪華さを追求して都会でもあるようなホテルや旅館のような宿を作ったことで、農村・漁村としての魅力アピールに繋がらず、失敗するケースも。
ここまではアグリツーリズムとは何なのかについて紹介してきました。次章以降は、おすすめのアグリツーリズム5つを紹介していきます。
おすすめアグリツーリズム①暮らし宿 お古
暮らし宿 お古は、広島にある昔ながらの生活を体験できる古民家です。携帯電話が圏外なので、本当に日常の生活から離れた暮らしを体験することができますよ。
体験できることは、かまどでの料理、山菜取り、巻き割り、五右衛門風呂など絵にかいたような昔ながらの生活。自然と調和しながら暮らすとはどういうことなのかがよく分かりますよ。
かまどでの料理は管理人さんに指導を受けながら一緒に行います。かまどを使って自分で料理すれば、普段よりもおいしく感じられ、食べ物への感謝も自然に湧き上がってくるでしょう。
おすすめアグリツーリズム②世界農業遺産で農業体験
世界農業遺産に認定されている徳島県美馬市で農業体験ができるアグリツーリズムがあります。季節によって異なりますが、栗やタケノコ、山菜など、農作物の収穫体験ができますよ。
作業に必要な道具は準備してくれるので、動きやすい汚れても良い服装で行けば大丈夫です。
また、ファンが多いのが豆腐の手作り体験です。自分で手作りした豆腐は豆の香りがしっかりとして、味も濃く絶品なんだとか。ぜひ試してみてくださいね。
おすすめアグリツーリズム③田沢湖農家民宿
田沢湖農家民宿は秋田県の田沢湖近くにあり、季節によって様々な農業体験ができるアグリツーリズムを行っています。
野菜の収穫、種まき、魚のつかみ取りなどの農業体験・漁業体験と、かまどを使ったピザ作りや流しそうめんなどの料理体験が両方楽しめるんですよ。
季節ごとに様々なことを経験できるので、季節をずらして訪れてみるのもおすすめです。お部屋はご主人が手作りした昔懐かしい空間になっています。ゆったりと過ごしてみてくださいね。
おすすめアグリツーリズム④こびき さんち
こびき さんちはグリーンツーリズムの案内人をしているご主人がいる宿で、農業体験ができるだけでなく、グリーンツーリズムについて話を聞くことができるのが特徴です。
豆をたくさん栽培しているので、料理ではいろいろな豆料理を堪能できるのが人気のポイント。また、コメの栽培が盛んな地域で、無農薬にこだわっているので身体にやさしい美味しいお米も堪能できますよ。
農業体験は季節によって異なるので、詳細は問い合わせてみてくださいね。
おすすめアグリツーリズム⑤漁師民泊
このアグリツーリズムでは、漁師の家に泊まって漁の体験をすることができます。ウニやアナゴ量に同行して、実際の量を間近で見たり、自分も漁を体験したりして、「漁業」に触れてみましょう。
漁は朝早くに出発するので、夜はなるべく早めに就寝するようにしてくださいね。また、海がしけて漁に出られない時は、漁具の修理を教わったり山菜取りをしたりして過ごすことになるので注意しましょう。
また、ドラマ「あまちゃん」の撮影で使われたプールなどが、車で行ける距離にあるので、漁体験を終えて宿をチェックアウトしたら立ち寄ってみるのがおすすめです。
アグリツーリズムとは? まとめ
アグリツーリズムについて、意味やおすすめツアー5つを紹介してきました。普段経験することのできない農業や漁業などを体験するアグリツーリズムは、魅力的な観光ツアーでしたね。
アグリツーリズムはとても良いものですが、農業も漁業も自然を相手にするものですので、天候が悪いと体験が思うようにできないこともあります。
アグリツーリズムに参加する前に、天候不順の際には何が体験できるのかをしっかりと確認しておいてくださいね。