ドイツには数多くの世界遺産があり、全てを回るとなるとお金も時間も沢山必要です。また、ドイツが初めてという方は「どの世界遺産がおすすめなの?」と気になっているのではないでしょうか。
本記事では、ドイツの歴史に触れることができ、美術・芸術も楽しめる世界遺産を9つ紹介していきます。どの世界遺産も足を運ぶ価値があるので、ぜひドイツ観光の参考にして下さい。
(トップ画像出典:https://pixabay.com/ja/photos/アーキテクチャ-大聖堂-教会-3138531/)
ドイツで最も有名な世界遺産【ケルン大聖堂】
ドイツで最も有名な世界遺産といえば「ケルン大聖堂」です。正式名称は「ザンクト・ペーター・ウント・マリア大聖堂」と言い、ゴシック様式の建造物としては世界最大の大きさを誇ります。
現在のケルン大聖堂は3代目であり、1248年の建設を開始してから600年以上の時を経て完成しました。財政難・第二次世界大戦・危機遺産への登録など、様々な苦難を乗り越えてきた歴史ある建造物です。
塔の高さは約145m・全体の横幅は約86m・建築面積は約7,900㎡を誇り、大きさだけでなく美しいデザインにも目が奪われます。
堂内は荘厳な空気が漂い、中でも見所なのが「身廊の広さ」と色鮮やかな「ステンドグラス」です。南側の塔には展望台があり、約100mの高さからケルンの景色を堪能することができます。
ドイツ初の世界遺産【アーヘン大聖堂】
「アーヘン大聖堂」は、オランダ・ベルギーの国境に隣接した古都アーヘンにある世界遺産であり、北ヨーロッパで最も古い大聖堂として有名です。
786年、初代神聖ローマ皇帝と見なされる「カール大帝」により、宮殿教会の建設が開始されました。その歴史的背景から「皇帝の大聖堂」(Kaiserdom)とも呼ばれています。
アーヘン大聖堂の魅力は、堂内に広がる煌びやかな光景です。特に金をふんだんに使用した「モザイク」や高さ約25mの「ステンドグラス」は、言葉にならないほどの美しさがあります。
また、隣接している宝物館には「カール大帝時代の宝飾品」「黄金の胸像」など貴重な品々が展示されています。
美術・芸術を堪能できる世界遺産【ムゼウムスインゼル】
首都ベルリンの観光スポットである「ムゼウムスインゼル」は、建造物の名前ではなく、5つの博物館・美術館が集まるエリアを指します。
シュプレー川の中洲に位置しており、ベルリン美術館を構成する博物館・美術館が密集していることから「博物館島」とも呼ばれています。
- 旧博物館
- 新博物館
- 旧国立美術館
- ボーデ博物館
- ペルガモン美術館
中洲の北半分は住宅地として利用されていましたが、1830年に「旧博物館」が建設され、その後「フリードリヒ・ヴィルヘルム4世」が一帯を『芸術と科学』に関する地域としました。
それぞれの博物館には、「エジプト美術」「ビザンティン美術」「ギリシャ美術」など貴重な品々が展示されており、時代・場所を超えた芸術を鑑賞することができます。
ドイツの世界遺産が点在【ポツダムとベルリンの宮殿群】
ベルリンの南西部とポツダムの北東部には、豪華な宮殿や広大な庭園が点在しており、「ポツダムとベルリンの宮殿群と公園群」として世界遺産に登録されています。
数ある中でも、フリードリヒの離宮である「サンスーシ宮殿」やポツダム会談が開催された「ツェーツェーリエンホーフ宮殿」が有名です。
主にプロイセン王国時代の宮殿・庭園が中核を成しており、ドイツの歴史を例証する遺産として後世に伝えられています。街の雰囲気も堪能しつつ、のんびりと世界遺産を巡ることができる人気のエリアです。
自由の象徴【ブレーメンのマルクト広場の市庁舎とローラント像】
ブレーメンのシンボルである「ブレーメン市庁舎」は、1405年から1410年にかけて建設されたゴシック様式の建築物であり、1608年にはヴェザー・ルネッサンス様式のファサードが増築されています。
異なる様式が調和した美しい市庁舎であり、ドイツの中でも重要な建築物の1つです。ハンザ都市の繁栄を物語る豪華な屋内やドイツ最古のワインが眠るワインセラーも見所です。
市庁舎の前にある「ローラント像」には、「この像が見守り続ける限り、自由と独立は守られる」という言い伝えがあります。
第二次世界大戦時には、市庁舎とローラント象の周りに囲いを作り、戦火から守り抜いたという歴史があります。ブレーメンの自由・独立を象徴する像であり、市民からも愛されている世界遺産です。
市庁舎の西側には、グリム童話で有名な「ブレーメン音楽隊」の像があります。ロバの足を両手で触ると願い事が叶うとされています。
豪華絢爛【ヴュルツブルク司教館、その庭園群と広場】
「ヴュルツブルク司教館」は、ヴュルツブルクにある領主司教の宮殿であり、バロック建築様式を代表するヨーロッパでも屈指の宮殿です。
屋内には数々の部屋がありますが、中でも有名なのが「階段の間」です。天井には大きな1枚絵のフレスコ画が描かれており、その大きさは世界最大級とされています。
柱の無い広大な吹き抜け・迫力かつ色鮮やかな天井画が織り成す空間は、瞬きを忘れてしまうほど見入ってしまいます。庭園や広場も世界遺産に含まれており、自然と芸術の融合を楽しめる人気のスポットです。
ドイツの中世がここに!街全体が世界遺産【バンベルク市街】
バイエルン州にある「バンベルク」は、ローマと同じく7つの丘に築かれていることから「フランケンのローマ」とも呼ばれています。
第二次世界大戦による被害を免れたため、中世の景観が残る貴重な街としてハンベルク市街全体が世界遺産に登録されています。
多くの歴史的建造物が現存しており、橋の上に建てられた「旧市庁舎」やロマネスク様式の「ハンベルク大聖堂」など見所が満載です。他では味わえない雰囲気があり、ドイツの歴史を強く感じられるエリアです。
ドイツ最大の地下聖堂!ローマ皇帝が眠る【シュパイヤー大聖堂】
「シュパイヤー大聖堂」は、世界最大級のロマネスク様式の聖堂であり、正式名称は「聖マリア・聖ステパノ大聖堂」と言います。
全長約134m・身廊の幅は約38mもあり、他には見ないスケールの大きさと神聖な雰囲気を兼ね備えた世界遺産です。
シュパイヤー大聖堂は、神聖ローマ皇帝「コンラート2世」が自身の永眠する場所として建造するよう命じ、1030年から1061年にかけて建造されました。
1番の見所は、ドイツ最大の「クリプタ」と呼ばれる地下聖堂です。東西約35m・南北約46mの規模を誇り、この場所に歴代の神聖ローマ皇帝や僧侶達が永久の眠りについています。
ドイツが誇るロココ様式【ヴィースの巡礼教会】
牧場の中にポツンと佇む「ヴィースの巡礼教会」は、規模は小さく外観も至ってシンプルですが、一歩足を踏み入れると優雅な装飾に目を奪われます。
ロココ様式の装飾はヨーロッパ随一と言われており、白を基調したと装飾と天井に描かれた色鮮やかなフレスコ画が神秘的な世界を創り出しています。
また、祭壇に安置されている「鞭打たれるキリスト」の木像は、祈りを捧げ続けたことで涙を流したという伝説が有名です。
決してアクセスの良い場所ではありませんが、毎年多くの巡礼者や観光客が訪れてきます。ツアーに参加するのが最も効率的であり、かの有名な「ノンシュヴァンシュタイン城」とセットで回る方も多いです。
ドイツの世界遺産まとめ
2020年現在、ドイツには44の世界遺産があり、登録数は世界第5位となっています。紹介したもの以外にも、魅力的な世界遺産がまだまだあります。
ドイツが初めてという方は、「ケルン大聖堂」が圧倒的におすすめです。外観の迫力から目を奪われ、堂内の荘厳さと美しさには心を奪われます。
世界遺産の楽しみ方は人それぞれであり、歴史に触れたい人もいれば、デザインを楽しみたい人もいます。自分が何に興味があるのかを明確にし、気になる世界遺産へぜひ足を運んでみましょう。